階級社会 4
それからリコは俺が住む家の手続きまで行ってくれた。さっぱりわからない俺にはありがたい。
数日して一息ついた俺は、せっかくの特級市民生活を堪能するために、散歩に出ることにした。
俺の世話を焼かせるための女性を探すためだ。
ピピー
街を歩いてしばらくすると、突然ホイッスルの音が聞こえた。
「そこの男、止まりなさい」
どうやら、この世界の警察の人間のようだ。この手の組織はいつの時代でも変わらないらしい。
中から出てきたのは、ちょっとキツめの印象を与える、気の強そうな女性だ。
「あなたは何でそんな格好で歩いているんですか? 3級市民がいていい場所ではありません」
俺の格好は俺の生まれた時代のもののまんまだった。
どうやら、服の質などが3級市民のものと同じだったので目に留まったのだろう。
それに、どうも普通の特級市民(変な言葉だ)はあまり出歩かないらしい。まぁ、大抵の事が許されているので、逆に何か新しいことをする気も無いのだろう。やりたいことが有り余っている俺にしてみれば可哀相なことだ。
「話を聞いているんですか?」
と、物思いに耽っていると目の前の女性警官が詰問してくる。
よくよく見ると、割と好みのタイプだ。よし、ちょっくらやらせてもらおうか
「と、いうわけで、動くな手を上げろ」
「な!?」
冗談ぽく手を銃の形にして婦警さんに命令する。当然、それに従い両手を上に伸ばす婦警さん。
強盗にでもなった気分である。今日の俺は鬼畜にいくぜ。
「まさか、貴方特級の」
「おっと、俺が特級だってことには気付いちゃ駄目だぜ。三級だと勘違いしててくれ。これ、命令な」
せっかく無理矢理犯るんだから、ちゃんと嫌がってくれないと盛り上がらない。
俺が特級市民だからって、抵抗を諦められたら面白くないのだ。
「……身体が動かない。貴方、私に一体何をしたの」