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階級社会
官能リレー小説 - ハーレム

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階級社会 1

西暦2300年。世界は階級によって支配されていた。
階級毎に仕事や住む場所、学校、結婚相手などが細かく定められ、階級によって厳しい差別が敷かれている。
最下級の三級市民は重労働を強いられ、その収入の多くを税として徴収される。
逆に一級市民には税の支払い義務はなく、下級市民達の血税を自由に使って遊んで暮らすことが出来る。



素直に、凄い制度だと思った。
おまけに全市民は脳にチップを埋め込まれ、反乱を起こさないよう常に管理されているらしい。
まったくもって完璧だ。抜け目のない、完璧な支配態勢だ。
「で、俺は一体何級市民になるんだ?」
コールドスリープから200年ぶりに目覚めた俺は、恐る恐る俺を起こした美人の女医さんに聞いてみた。

恋人を庇って車に轢かれ致命傷。しかし一命を取り留め、そのまま二百年間冷凍保存されていた俺。

二百年前には階級制度なんてなかったので、自分が何級市民になるのか冷や汗ものである。
嗚呼。神様、女医様、お願いします。三級だけは勘弁して下さい。
「あなたは特級市民に登録されます」
「特級?」
俺の不安などお構いなしのクールな先生のお返事。
それにしてもまた新用語だ。いい加減頭が追いつかなくなってきた。
「特級ってのは何?ひょっとして三級より下の奴隷とか?」
江戸時代のえた・非人みたいなものですか?
「いえ、逆です。特級は一級より上、我々市民を文字通り自由に出来る、天上人のことです」
思わずガッツポーズ。遊んで暮らせる特権階級万歳。階級制度万々歳。
「でも、なんでだ?俺ってそんなに偉かったっけ?」
三百年前の俺はサラリーマン家庭に育ったどこにでもいる高校生である。
特級なんて選ばれた人間になれる理由が分からない。
「貴方の恋人の子孫が現在特級市民になっているのです。『御先祖様を助けてくれた恩人が目覚めたら、私と同じ特級として市民登録しなさい』。との命令がありましたので、貴方は今日から特級市民となります」

「なるほど、あいつの子孫がね」
納得できる話だ。
実は俺の三百年前の恋人は、とんでもない大金持ちのお嬢様だったのである。
加えて、恩や義理をとても大事にする変わり者だった。
だから、その子孫が未来の世界で貴族や王様になっていても全くおかしくないし、律儀に三百年前の恩を返そうと考えても不思議ではない。
何にせよ、命を懸けて彼女を守った甲斐があったということか。

「それで、特級市民ってのは具体的に一級市民と何が違うの?」

「簡単に言いますと、特級市民の命令に我々三級〜一級の市民は逆らうことができません」

「へ?」

なんか今、この女医さん凄いこと言わなかったか?

「我々市民の脳にはチップが埋め込まれています。特級市民が命令を下しますと、チップが反応して市民はその命令に必ず従います」

「マジで?本当にどんな命令にも逆らえないのか?例えば死ねとか」

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