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魔堂戦記
官能リレー小説 - 戦争

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魔堂戦記 8

「あの・・・・イイエ。そろそろ話を本題に言ってもらわないと・・・・」
「なんだと!まだダーリンの魅力の一割も話してないぞ」
「いや、雫のことは知ってるし」
「むぅっ、このせっかちめ!」
彼女は炎のように赤赤と輝く長髪をかき上げて不満げに唇を尖らしながらも『主』の命令を思い出したのか、懐から一通の手紙を取り出す。
「我が主、高越雫(こうえつしずく)様からのお主、神奉武(しんほうたける)殿への依頼書だ」
「依頼書?」
はて、一体なんだろうとタケルは眉を潜めながら手紙の封を切り中身を覗く。中級神にも匹敵する竜を従えて何が問題なんだと一瞥してタケルは溜息をついた。
「・・・・・最悪」
「何が書いてあるのじゃ?」
九尾がタケルの首筋から顔を覗き込ませ、タケルは苦笑しながら呟く。
「またかよ」
「?」
九尾は手紙を覗き込む。中に書かれているのは東方の島国の領主である高越の印と共に文章が書かれている。
「えっと〜、神奉武殿にイヴァルエ山に住む雷神の退治をお願い致したい。もし断れるのなら高越家が一生懸命抑えている五大竜神の一柱≪黄昏の女帝≫を解放し、更にはあんたの居場所までバラす。ばらされたくなったら仕事しろ。以上」
「最初と最後の口調が全然違うだろうが!」
タケルは叫ぶが手紙の持ち主は遥か彼方の島国だ。咆哮は空に木霊するばかり。イイエはさっさと還ろうと背中に龍翼を顕現させる。
「それでは頑張れよ」
「手伝わないの!?」
「なぜ私が手伝う必要がある。私の役目はお前にこの依頼書を渡すこと。私は一刻でも早くダーリンに会って可愛がってもらいたいのだ。だから手伝う気は無い」
「断言ですか!ちょっ、待った。せめて捜索の手伝いぐらい・・・・ああっ!」

タケルの叫びも空しく上位竜族は颯爽と深紅の翼をはためかせ轟音を響かせながら夜空の彼方へと飛び去っていった。ハァとこれからのことを考え溜息をつくタケルの首筋に回される腕。誰の腕かぐらい考えなくてもわかる、残り一人の九尾の腕だ。
女性的な白く柔らかな腕だが、・・・・なぜか今夜だけは偉く強い。まるで万力車で絞め殺すように。

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