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魔堂戦記
官能リレー小説 - 戦争

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魔堂戦記 7

もし魔力が視認可能だったならばタケルを中心に濃密な霧のように漂い始める波動が見えただろう。
「ぐるるる♪」
「ぎいい♪」
それと同時に二大怪獣の殺意剥き出しの瞳が徐々に蕩け、その姿が≪化神≫から≪人型≫へと変貌していく。
現れたのは十二単を纏った妖艶な黄金の妖女・九尾。
そして、その隣には九尾に勝るとも劣らない美貌の美女が佇む。
燃え盛る炎のような長髪を後ろで束ね、ワイルドで不敵な美貌。日焼けした健康的な肌の上に中華風の鎧を纏い、実に凛々しい格好をしているが、立ち昇るのは極上の女性の匂いだ。
西洋の雷龍・イイェヴェルティナ。
西洋なのに中華風の甲冑というのは一体なんだろうと思いつつタケルはにこやかに微笑み挨拶する。
「ひさしぶ・・・・・」
「この糞ガキっ!」
挨拶は蹴りだった。
「おわっ!」
思わずしゃがみこむと同時に今まで頭があった地点を風を切り裂いて回し蹴りが過ぎ去る。当たればそのまま首が千切れそうな勢いの蹴りに、九尾の顔が怒気で紅く染まる。
「貴様!また!」
「あ、ちょっと待って!これはイイエの愛情行為だから!だからそんな本気にならないでくれ!」
「誰が愛情を表現してるんだボケ茄子!
私の愛情は全て愛しのダーリンに注がれている!」
放った蹴りを優雅な動作で戻しながら下位の龍ならば心臓発作を起こす勢いで睨みつける。
「私は既に愛しのダーリンの肉ど…もとい恋奴隷。今日も朝から『子供は一姫二太郎かな?』な〜んて言いながら可愛がってくれて……」
顔を赤らめ、自分の体を抱くようにな格好でダーリンの話を始めるイイエ。
この後、三十分に渡りノロケが続く。




「なぁ、タケル?」
暫く惚気話を聞いていた九尾が眉をジリジリと持ち上げ唸る。
「こいつ殺していいか?」
「・・・・・とりあえず駄目。こう見えても皇位の竜族だし、五大竜神の家系でもある。殺したりしたら竜族全員から恨み買う」
「ふむ。とりあえずか、わかった」
瞳を輝かせて唸るように呟く九尾にタケルは溜息をつき、そしていい加減に目の前で空気を読まない美女に声をかける。

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