参謀ディオン・ファントスの一生 10
流石に若いエミリアは震える。
容赦なく部下の首を斬ったこの男の冷酷さに震えてしまったのだ。
その震えるエミリアをルバードは面白そうに見る。
「で、駐在武官殿は我らに如何なる謝罪をする気だ」
つまりただで帰す気は無いと言う事らしい。
そしてエミリアは彼の顔を見て察した。
この男はあえて揉め事にする為に部下を斬ったのだ。
そして彼女に飲めない条件でも突きつけて拗れさせようとしているのだ。
そう半ば確信した所でルバードが立ち上がる。
そしてエミリアの頭を掴み無理矢理に下げさせて言う。
「俺のチ○ポを舐めな、それで許してやる」
屈辱に真っ赤になり震えるエミリアだったが、彼が揉め事を起こす気な以上従わざるをえない。
震えなから跪くとルバードがペ○スを露にする。
赤黒く巨大で、エミリアは小さな悲鳴を上げてしまった。
その悲鳴に周囲の男達がドッと笑う。
エミリアをとことん辱しめる気だった。
それでもエミリアは涙目になりながらルバードのペ○スに口をつける。
吐いてしまいたいぐらいの嫌悪感と惨めさで涙が溢れそうになるが、何とか堪えてルバードのペ○スを舐める。
「オルタンスの女はヤリ甲斐のある娼婦って聞いたが、下手くそもいるもんだな!」
「お高く止まってやがるが、所詮は女だぜ女!」
「こんな女のいる軟弱軍隊なら、襲って犯し放題だぜ!」
周囲の男が言葉で、エミリアを辱しめる。
エミリアだけでなく祖国や軍まで辱しめる相手に怒りに身を振るわすが、それすら男達にとって嘲りの対象だったのだ。
「クソ程下手だな!、っおい!」
「へい、隊長っ!」
ルバードが目配せすると、一人の男がエミリアの背後に回り込み、膝立ちのエミリアの尻を蹴り上げる。
それも股間深くの位置・・・
男にとっては急所だが、女だって同様に急所であった。
「ぐひぃっ?!!」
悲鳴を上げるエミリア。
一瞬目の前が暗転する程の衝撃・・・
そして失禁。
「くくっ!、そうでなくちゃな!」
エミリアの表情と失禁に興奮したルバードは、自分でもしごきながらエミリアの顔に白濁液をぶっかける。
顔と股間を汚したエミリアに、ルバードは笑って言う。
「これで手打ちにしてやろう、駐在武官殿」
顔と股間を汚され、笑いものにされる辱めを受けたエミリア。
純血こそ奪われなかったものの、この屈辱は今でも忘れられずにいた。
そして、問題を起こした彼女は本国に召還され、暫く不遇に過ごしたのだった。
そして、それから数カ月後・・・
通商交渉の打ち切りを理由に、ブリアム王国はオルタンス公国との国交を断交・・・
宣戦を布告したのだ。
それに先立つようにオルタンス公国軍総指令マクシアム中将は諸将を集め、作戦会議が開かれていた。
「では、モーファイム少将、状況説明を宜しく頼む」
マクシアム中将は参謀長モーファイム少将に発言を促した。
「ブリアム王国の戦力ですが、国軍2千、傭兵団8千余りが動員されたとの報告があります・・・我が軍の状況ですが総兵力8千、半数の兵力が投入可能です」
「うむ、火砲の生産状況はどうか?」
「ご命令通り順調に生産されております・・・小銃は1万丁、大砲は百門が配備可能です」
資材長のラッド大佐がそう答えた。
その言葉を聞いたモーファイム少将がディオンを見る。
「ファントス中佐、今回の作戦を述べてください」
モーファイム少将は40代に入ったばかりの女性将官であり、公国軍で最も出世した女性であった。
元々モーファイム男爵夫人であり才媛として名高く、病死した夫の爵位と軍位を引き継いだ。
子や妻が爵位を引き継ぐのは貴族社会の慣例であるが、軍位まで引き継いだ例は殆ど無い。
これは彼女がそれだけ有能だと言う事の証明でもあった。
彼女に促され、ディオンは立ち上がる。
先の会戦の功績により、ディオンは中佐へ昇進していた。
「ブリアムとの戦端が開かれるのは、ソドス地方のシルニア河沿岸部となるでしょう・・・1万規模の軍勢が展開できる国境地帯はここしかありません」
地図を指しつつディオンは説明を始める。
ブリアム王国との国境地帯は険しい山が多く大群の移動に適さない。
故に数少ない平野部であるソドス地方が侵攻ルートとなる。
そこに流れる浅く穏やかな国境の河川シルニア河沿岸部が戦いの舞台になるのは十数年前の戦いと同じだ。
それ以外の山間部からの侵攻はディオンはほぼ無いと見ている。
何故なら、寡兵で守るに易い地形の上にオルタンス公国も主要な場所に砦を構築してる。
そこに来る分には作戦すらいらないぐらい楽な話だ。
しかも、兵力が倍なのでブリアムからすれば平野部で戦うのが当然である。
国軍こそ少ないが、豊富な財力で集めた傭兵は精鋭揃い。
帝国との戦いとなんら変わらない難しい戦いになるだろう。
「主戦場が河川及び河岸となる為に塹壕戦術は今回使えません・・・故に『新規装備』と『新型陣形』で挑む事になります」
彼の言葉に諸将が頷く。
帝国との戦いには間に合わなかったものの、ここ一年がかりで訓練して準備してきた戦術である。
「それと、帝国から提案があり、観戦武官を派遣したいとの事だ」
ディオンの大まかな説明の後にマクシアム中将が言う。