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征服と支配
官能リレー小説 - 戦争

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征服と支配 5

16歳の少女には辛すぎる処遇であろう。
アルトは尋問の責任者である士官に言った。
「おい中尉、もっと鞭をお見舞いしてやれ」
「はっ!おい、再開しろ」
命令を受けた士官は鞭を持った二人の兵士に命じる。
「「はっ!」」
二人は母娘に向かって鞭を振り上げた。
「あ、待て…鞭で打つのは娘の方だけで良い。母親には何もするな。娘の苦しむ所を見せ付けてやるんだ」
「はあ、なるほど。さすがは大佐です!」
「いいから、やれ」
そんな事で誉められても全く嬉しくない。
兵士はクラリスに鞭を浴びせた。
ピシーンッ!ピシーンッ!と鋭い音が部屋中に木霊する。
「あぁーっ!!あぁーっ!!」
それに合わせて響き渡るクラリスの悲鳴。
母エミリアと同じ翠色の瞳に淡い栗色の髪を三つ編みにした美少女は、まだ幼さの残る顔を歪めて泣き叫ぶ。
「クラリスー!!お願い!やめてぇ!打つなら私を打ってぇ!」
泣きながら懇願するエミリア。
母親にとっては自分より我が子が傷付けられる方が辛い。
我ながら嫌な知識だけは身に付いたもんだ…とアルトは内心で思いながらエミリアに言った。
「やめて欲しければ今すぐ国王一家の居場所を吐け」
「私達は…私達は本当に何も知らないの…信じて…」
すすり泣きながら言うエミリア。
それを聞いたアルトは冷たく言い放った。
「…吐くまで続けろ」
「はっ!」
「いやあぁーっ!!!」
そして踵を返し、母娘の叫び声を背に拷問部屋を後にした。

「はぁ…やはり拷問というのは好きになれんな…」
収容所を出て車に乗り込んだアルトは溜め息混じりに言った。
「あの母娘は本当に何も知らないのではないでしょうか?」
隣に座った副官の少尉が言う。
「そうかも知れんし、そうでないかも知らん…。まあ、あと数日続けて何もゲロしないようであれば拷問は一旦終わりだ。一応鞭打ちも傷が残らんように配慮はさせてるし…」
「大佐は厳しいのか優しいのか判りませんね…」
少尉は少し笑いながら言った。

次にアルトがやって来たのは王都を見下ろせる丘の上だった。
市街地と反対方向に目をやると、エルミナ王国軍の潜む山地が広がっている。
「…おそらく本当の戦いはこれからだ。王都という最大の防衛拠点を失ったエルミナ軍は国中に散らばってゲリラ戦を展開して来るだろう。苦しい戦いになるぞ…」
「…杞憂ではないでしょうか?エルミナ軍はロクな実戦経験も無い素人兵の寄せ集めと聞いています」
少尉は言った。
「ふふ…」
「何かおかしかったでしょうか?」
「俺はガロー戦争の時、現地の百姓に銃を持たせただけの民兵共相手に死ぬ目を見せられた…。どんな相手でも決して侮ってはならんぞ。ましてや今回は完全に俺達が侵略者だ。祖国を護るともなれば向こうも必死になって来るだろうさ…」
「た…大佐、私達が侵略者だなどと…私達は天なる神々より神聖なる使命を賜り、混沌たる地上世界を統一すべく…」
「お前、本気でそんな事信じてるのか…?」
「……」
少尉は少し黙ってから小声で言った。
「…どこに憲兵の目が光ってるか分かりません。そういう事はあまり口にしない方が…」
「ふふ…そうだな。さ〜て、司令部に戻って豚将軍のご機嫌うかがいでもするか〜」
「大佐!」
「分かってる、分かってるって…」

ところが、戻ってみると司令部内の雰囲気が妙に浮き足立っていた。
皆、慌ただしく走り回っている。
「あ、大佐!お帰りになりましたか!」
アルトの姿を見つけた部下の一人が駆け寄って来た。
「うむ、一体何があった?」
「ヒスター元帥が亡くなりました」
「な…何だと!?まだ市内に敵勢力が残っていたと言うのか?」
「いえ、それが、その…」
もう周知の事実ゆえ、別にそうする必要も無いにも関わらず、彼は声を潜めてアルトに言った。
「…女に殺されたんです。寝室で…。隠し持っていた果物ナイフで喉を掻き切られて…」
「な…」

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