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征服と支配
官能リレー小説 - 戦争

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征服と支配 10

「…うむ、当然そう答えるであろうなぁ…っ!!!」
…と言うが早いか、エーディットは娘クラリスに向かって渾身の力で鞭を振り下ろした。

 バシイイィィンッ!!!!

「ギェ…ッ!!!?」
まさに空気を引き裂くような鋭い音と同時にヒキガエルを潰した時の断末魔のような短い悲鳴が上がった。
あぁ…本物の苦痛の叫びだ…とアルトは思った。
鞭打たれながら「あぁ〜!」とか「やめてぇ〜!」とか言っている内は…まだ余裕…“女”を演じられるだけの余力があるという事だ。
「…あ…あぁ…あぁぁ…」
鞭打たれたクラリスは全身をガクガクと痙攣させながら失禁した。
彼女は恐らく今、初めて知ったはずだ…今までの痛みなど、痛みではなかった…と。
「さて…もう一度同じ質問をしようか…」
エーディットはエミリアの顔を覗き込み尋ねた。
「…国王と、王妃と、王女…どこに隠した…?」
「う…うああぁぁぁ…っ!!!!」
エミリアは泣き崩れた。
「し…知らないのぉ!!!私たち本当に何も知らないのよぉ!!!お願い!!!信じてえぇ!!!」
「…そうか……そうか…」
エーディットはスッと鞭を持つ手を下げた。
皆ホッと息をつく。
だが次の瞬間、彼女は鞭を捨てると腰に下げた軍刀を抜いてクラリスに突き付けた。
「…もう鞭は止めだ。本当の事を言わなければ、このサーベルで娘の耳を削ぎ落とす」
本気の目だ。
「そ…そんな…っ!!?」
エミリアに絶望の表情が広がる。
「か…閣下ぁ!!!」
見かねたアルトが止めに入った。
「どうかもうお止めください!!私にはこの親子が嘘を吐いているとは到底思えません!!」
「お前の意見など聞いてはおらん!!妾の邪魔をするでない!!」
「あ…あの…!失礼ながら私も…!」
将校が言った。
「ずっと二人の尋問を担当していた責任者として言わせていただきます!!この者達はシロです!!」
「根拠は何だ!?」
「勘であります!!」
「なるほど、勘か…」
「はい!長年の経験に基づく勘が、この二人は嘘を吐いていないと言っております!」
「ならば貴様の勘が当たっているかどうか確かめてみるとしよう」
「か…閣下ぁ…っ!!?」
「…そうだ、削ぐのは耳ではなくて鼻にしようか…その可愛らしい顔を台無しにしてやろう…フフフ…」
「イギャアアァァァァッ!!!?」
施虐的な笑みを浮かべるエーディットにクラリスは狂ったように泣き叫び、突き付けられた剣先から必死に逃れようと身をよじった。
その時、エミリアが叫んだ。
「お…王都の北の山中にある山荘…!!!!」
「「「…っ!!?」」」
アルトと将校、兵士達は耳を疑った。
まさか…!?
エミリアは堰を切ったように喋り始めた。
「王宮の地下に脱出路があります!!王都郊外の山中にまで至る地下道です!!山荘は地下道の出口から見える場所に!!」
「なるほど…そこに三人とも身を隠しておるという訳か…警護の兵力は?」
「僅かに数名…ですが既に王国軍の残存勢力と合流した可能性も…」
「「「……」」」
男達は言葉が無かった。
先ほど大見得を切っていた将校など、魂が抜けたように呆けている。
「それは行ってみねば判らぬな…シュテルン!聞いた通りだ!ただちに部隊を派遣し国王一家を確保せよ!」
「か…かしこまりました、閣下!!」


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