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女郎蜘蛛
官能リレー小説 - 時代物

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女郎蜘蛛 3

漁師の男達は蜘蛛の糸のようなものにからめとられて吊るされていた。一瞬で持ち上げられたので消えたように見えたのだ。
蜘蛛らしいものは見えない。糸がまとわりついた漁師が張り付いているのが確認できるだけだ。
「糸は見えるが巨大蜘蛛は見えないな、蜘蛛がいないのにどうやってからめとったんだ?」
直七は蜘蛛の巣をよく観察したが、やはりどこにも蜘蛛の姿が見えない。
それに捕まっている漁師の男達はというと全身に糸が付いており、逃げられそうにはなかった。
彼等は悪い人間ではないのは明らかだった。そんな男達を見殺しにすることは出来なかった。
直七は飛び出すと糸の塊めがけてクナイを投げつけた。
直七の登場に漁師の男達が一斉に声をあげ始める。
「早くここから下ろしてくれ!」
だが、その声はすぐに聞こえなくなった。糸が触手のようにうねりながら伸び始め、彼等の顔を覆ったからだ。
「まずいな。これでは窒息するかもしれない」
糸はますます伸びていくと少しずつ褌の中に侵入していった。
明らかに糸自体が彼等を包もうとしていた。細い糸は漁師の肉体を絡めとりながらクルクルと回していく。
直七はどうにかしてそれらを切断しようとしたが無駄であった。糸自体が動いているので切れた糸を補うように別の糸が伸びてくるのだ。

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