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誘拐
官能リレー小説 - 時代物

総合順位:2605位
時代物:26位
得票数:11
発起人:匿名さん
投稿日:2023-11-17
最終投稿者:匿名さん
最終更新日:2024-04-19
投稿数:11

この作品は官能小説です。
18歳未満の方は閲覧禁止です。またアダルトコンテンツを不快に思う方はご遠慮ください。

はじめから読む

書き出し

獣の奇声が、小雪の舞う路地に響き渡った。
「人さらいがきたぁー」
春は名のみの雪の昼下がり、漁師町を震撼させる悲鳴があがった。
「助けてくれぇ」
悲鳴に混じって、野太い男の声がする。
「大変だよ、山太。人さらいだってさ」
小春丸は、山太の手を引いて走りだした。
小春丸にとって、山太は兄弟みたいなものだ。山太は後ろを走りながら、「小春丸ぅ」と情けない声をあげた。
まだ状況を読みこめていない山太を引っ張って、小春丸は必死で走った。
しかし…。不意に山太の手が離れた。
「山太?」
振り返ると、山太の体が何かに包まれてふわりと宙に浮く。山太が小春丸に向かって必死に手をのばしている。
「小春丸!助けて!」
叫び声を上げる山太の体が巨大な網に包まれて、空高く引き上げられていく。
小春丸は、呆然と空を見上げた。
「山太!」
小春丸も天に向かって叫んだが、山太の声はすぐに遠ざかり、消えた。
小春丸は、混乱した。何がなんだか分からないまま、辺りを見回した。

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