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華が香るとき
官能リレー小説 - その他

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華が香るとき 100

それぞれの企業の責任者の報告が終わる度に、秘書のメイド達がこっそり「後でもう一度私達が聞きますので」とフォローしていたのは桜の知らないところだ。
桜と菫に言わせれば「洋ちゃん(洋介さん)との時間を削ってまで報告を聞かないといけないの?」といった感じなのである。
 
そしてやっと会議が終わると、桜は先程言った様に自室にこもり、菫は桜の部屋を出て廊下を歩いているといった次第であるのだ。
 
 
話を戻すが、菫が廊下を歩いて何となく外を見ていると、遠くはあるが視線の先に洋介の姿が確認された。
普通の者がいくら視力が2.0あったとしても、その廊下からは豆粒にしか見えない位の距離があるのに、菫にはその姿がはっきりと見えるのである。
(ちなみに断っておくが、菫の視力はそこまで良くない)
菫には「洋介レーダー」なるものが付いているのだろうか!?
 
菫が見た洋介の姿は全裸であり、その洋介はフラフラと歩いて屋敷から段々離れて行くのであった。
(洋介さん…どうしたのかしら…確か雪乃が一緒にいたはずなのですが…)
洋介が一人で歩いている姿に菫は疑問を抱く。
その時……洋介が菫の視界から急に消えてしまった。
何事が起きたのか、菫が目を細めて辺りを見てみると、洋介が何と倒れているではないか…
「きゃあああぁぁぁっっっっ!!!!」
その姿を見た菫が屋敷中に聞こえる位の大きな悲鳴を上げる。
その悲鳴を聞いて、菫の後ろで控えていたメイドが菫に駆け寄り、同じ三階にいたメイド達も菫の方へ急いで駆け寄るのであった。
「どうしたのですか菫様!!?」
集まったメイド達各々が菫に血相を変えて質問をする。
菫は顔が真っ青になっており、口をパクパクさせている。
「洋介さんが…洋介さんが…」
メイド達は何が起こったのか…洋介様が何なのか分からずに菫にもう一度はっきりとした理由を説明してもらおうとする。
「…洋介さんが倒れたの…」
菫ももう倒れそうな位顔が真っ青になっており、菫から理由を聞いたメイド達も一斉に顔を真っ青にし、中には倒れるメイドまで現れた。
「あっ…!!こんな所でこんな事をしてる場合じゃないわ!早く洋介さんをお助けしないと!!」
菫は顔をフルフルと振り、気を強く持つ様にして一気に屋敷の外に出ようと廊下を走っていった。
何とか意識を保てたメイド達も菫の後を追うように屋敷の外へと向かうのであった。
 
一方、菫の悲鳴を聞いた桜はというと…
「ほんとに菫は煩いわね…どうせゴキブリでしょ…メイド達がきちんと掃除をしてないから、いつも菫が悲鳴をあげるのよ…また雪乃にきつく言っておかないと…」

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