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華が香るとき
官能リレー小説 - その他

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華が香るとき 101

と言うと、「はあ…」と溜息をつくのであった。
菫の悲鳴の真相を聞いたら、桜はどうなるのであろうか…
 
 
そして…洋介はというと…
相変わらずフラフラと眠ったまま歩いていた。
風呂棟から300m程来ていたのだが、その間も羊の数は増え続け、今はもう軽く500は越している。
洋介の歩く先に何と高さ30cm程の植木があったのだ。
洋介は寝ているままだから、勿論その植木には気付かない。
そして前述の様に、その木に倒れてしまったのだ。

その植木は奥行きも30cm程しかないので、洋介はお尻を突き出した「くの字」の様に倒れてしまった。
 
「さあ、今日もお花のお手入れをしましょう♪洋介様がこの島に来られたって言うし、このお花を見て、そして私を見て…ポッ…私ったら乙女なんだから(キャッ)」
ここは洋介が倒れている場所から約50m先の同じ庭園の中。
この屋敷の敷地には、屋敷所有の庭園と壁向うにある学校(小学校・中学校・高校)の実習・部活の為の庭園の二つがある。
屋敷本来の庭園は、専門の庭師30人が一ヶ月かけてやっと手入れ出来る程大きなものだが、学校専用の庭園はそこまで大きなものではない。
それでも毎日手入れしておかないと、大変になる位の大きさはあるので、数名の学生達が毎日交代で手入れをしている。
「草抜きは昨日の人がやってくれたみたいだから、今日はお花にお水をあげて…そうだ、今日は洋介様にお渡しするドライフラワーを作りましょう♪」
洋介といつ会えるか学生の身では保障はないのに、その女生徒は暢気にドライフラワーの花を摘み始める。
「え〜っと、これと…これと…これね…それにあっちの方にいいお花があったから、それも取りに行かないと…」
その女学生はそう言うと何と洋介の方へ近づいて来るではないか。
「洋介様にこれをお渡しした時…『この花よりお前の方が綺麗だよ』なんて言われたらどうしよう(ポッ)」
どうやらこの島には洋介を含め妄想癖がある人物が多いようだ。
洋介がこの島に来てまだ二日目だが、「同類相求む」とはこの事なのだろうか…
この生徒は妄想につぐ妄想の末、洋介のいる位置から10mの所まで来てしまう。
「あれ?あんな所に変なお花がある…」
そして彼女は徐々に徐々にと洋介に近づいてくると…
「きゃああああっっ!!こんな所にお尻が!いやああぁぁっっ!!不潔…誰か助けてえぇぇっ!!」
彼女はそのお尻の持ち主がまさか「洋介様」だとは到底気付かない。

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