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華が香るとき
官能リレー小説 - その他

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華が香るとき 85

そして、目の前に現れた爺ちゃんが涙を溜めて話し出す。
「洋介よ、有難う。爺ちゃんは本当に嬉しいぞ。お前はやはり儂の見込んだ通りの男だ。
ところで洋介よ。実はな、先程の言葉は呪文ではない。
本当の言葉は「我、木之花の血を引く者である。我に眠りし、木之花の力よ。今こそ目覚めよ。そして木之花の血よ、我に力を与えたまえ」だ。
その時はきちんと、儂の書いた遺言状の上に手をのせるのだぞ。
今度こそ本当だから、拗ねないでちゃんと言うんだぞ!じゃあ、儂は色々忙しいからこれでさらばじゃ」
スクリーンの主がそう言うと、スクリーンは再び暗くなった。
洋介は先程あれだけ恥ずかしい思いをして言葉を言ったのに、祖父に騙されたと知って、もう体の力が抜けどうでも良くなって、部屋を出ようとドアの方へ振り向いた。
ドアには相変わらず写真と祖父の言葉の書いた紙が貼られてあったが、無視してドアノブに手をかける。
しかし、どういう事か先程は開いたドアが開かないようになっている。
洋介が幾らドアノブを回しても一向にドアは開かない。
「クソジジイめ…この俺をハメやがったな!」
そう言って、洋介が更に頑張ってドアを開けようとすると後ろから再び声がした。
「洋介よ、言葉を言わずに逃げようと思っても無駄だぞ。世の中そう甘くはない!さあ、諦めて言葉を言うのだ。そうすれば自ずと道も開けようぞ」
洋介が声に振り返ると、再び先程のスクリーンに祖父の姿があり、言葉を言うとまた消えていった。
洋介は仕方なく、先程言われた言葉を思い出し、遺言状に手を当て言葉を言う。
「我、木之花の血を引く者である。我に眠りし、木之花の力よ。今こそ目覚めよ。そして木之花の血よ、我に力を与えたまえ」
普通一度聞いた位で、このような難しい言葉は覚えられないのだが、やはり洋介が木之花の血筋である証拠であろう。
頭の中に自然と言葉が浮かび上がり、自然と言葉が言えてしまった。
そして、言葉を言い終えると、洋介の体が…



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