PiPi's World 投稿小説

華が香るとき
官能リレー小説 - その他

の最初へ
 82
 84
の最後へ

華が香るとき 84


『そうそう洋介よ。呪文は絶対に唱えるんだぞ!何せ儂はその言葉を忘れておって、漸く苦労の末に昔書いたメモを見つけたのだからな。いやぁ〜、まさかお前の婆さんの昔の裸の写真の中に入っているとは思わなんだ。どうだ、その写真を見てみるか?
でも、見せてあげな〜い。婆さんは儂のものだからな。流石のお前でも問屋は卸さんぞ。
まあ最後になるが、呪文は絶対に唱えろよ。じゃないと爺ちゃんあの世で泣いちゃうからな。グレちゃうからな。爺ちゃんはお前を信頼してるから、絶対に唱えてくれると思ってるから。だから絶対に唱えろ、いやお願いだから唱えてくれ。
という事で、何十年か先あの世で会おう。その時はお前の武勇伝をしっかりと聞かせて貰うぞ。     爺ちゃんより』
洋介は最後の続きを見て、「爺ちゃん、何か切羽詰まってるなぁ」と思いながらも、面倒臭いからいいやと思い部屋を出ようとドアの方へ振り向いた。
しかし、流石洋介の祖父である。
「洋介よ、そのまま帰っちゃ嫌〜」と、年寄りが嘘泣きしている写真と共にその言葉の書いてある張り紙がドアに貼り付けてあった。
とは言っても、洋介と祖父は、洋介が幼少の頃別れて会っていないので、洋介は当然祖父の顔を覚えていない。
ただ、その写真の迫力からそれが祖父であるというのは一目で分かった。
「はあぁ〜、分かったよ。やればいいんでしょ、やれば…」
流石の洋介もここまでされると嫌とは言えないので、仕方なく先程遺言書があった場所に戻り、遺言書に書いてあった言葉を言ってみる。
その形式にかなり疑問を持つが、周りには誰もいないし、今更どうこう言っても仕方ないので、遺言書に書かれてあった通りにする。
「爺ちゃん、愛してるぞ!」
洋介が形式通りにその言葉を発すると、急に目の前の壁に先程の写真と同じ人物の映像が出てきた。
どうやら目の前の壁は、古びているがスクリーンになっていたらしい。

SNSでこの小説を紹介

その他の他のリレー小説

こちらから小説を探す