PiPi's World 投稿小説

華が香るとき
官能リレー小説 - その他

の最初へ
 77
 79
の最後へ

華が香るとき 79

当の洋介は、一生懸命理性を奮い立たせて歩いてはいるが、頭の中では半分お花畑の世界を彷徨っていた。
そこに菫が駆け寄ってきて、菫の優しい声を聞いて安心したのか、洋介はあちらの世界には行ってはいないが、意識を失ってしまった。




「……………さん…………すけさん………ようすけさん……ああぁ…洋介さん…、よかったですわ……洋介さんがお目覚めになられて……」
洋介は漸く意識を取り戻した。
菫は洋介が意識を失ってから、ずっと膝枕をして洋介を呼び続けていたが、洋介が漸く目を覚まして安心したのか、洋介の胸に顔を押し付け泣き始めてしまった。
洋介は目が覚めはしたが、未だ意識がはっきりせず、なぜ菫が泣いているのか理解できなかった。
しかし、意識が戻ってくるにつれて、先程よりは和らいではいるものの股間の痛みが蘇ってきて、自分が痛みから意識を失ったのに気がついたのだ。
それに加え、洋介は今菫に膝枕をして貰っているのである。
しかし、洋介を今膝枕をしてくれている菫は洋介の胸で泣いていた。
鈍感の洋介も流石になぜ、今菫が泣いているかが分かり、菫の頭を撫でてあげるのであった。


先程は洋介が菫を待たせてしまったが、今度は洋介が菫が落ち着くまで菫をひたすら優しく撫で続けて待った。
そして暫くして菫が落ち着くと、菫の方が洋介に謝ってきた。
「…洋介さん…、申し訳ございません…。…洋介さんの方がお苦しい思いをされたのに、私が取り乱してしまいまして…」
洋介は恥ずかしそうに俯いている菫が堪らなく可愛く思えて、菫をそっと自分の胸に引き寄せた。
そして、菫は恥ずかしそうに洋介の胸に抱かれながら洋介がなぜ悶絶していたのか洋介に尋ねる。
「…洋介さん…。なぜ洋介さんはあの様にお苦しみになっておられたのですか?」
すると洋介は顔を赤らめ、隣で今にも泣きそうだった真木はとうとう泣き出してしまった。
「…洋介様、申し訳ありません…。私があの様な事をお教えしてしまったばかりに、洋介様にお辛い思いをさせてしまって…。私は何て事をしてしまったのでしょう…。
どうか…、洋介様…。私を存分にお叱り下さいませ……」
真木はそう言って泣きじゃくっていたが、菫には何の事か分からなかった。

SNSでこの小説を紹介

その他の他のリレー小説

こちらから小説を探す