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華が香るとき
官能リレー小説 - その他

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華が香るとき 72

「あの…、菫さん。こんなに一杯ありますけど、どこに入ったらいいんですか?」
菫は洋介の内心がわかっているので、くすくすと笑いながら答える。
「そうですわね…。それぞれ異なった良さがございますので、一概にこれとは言えませんが、宜しければ私のお勧めの温泉にご案内致しましょうか?」
洋介の方も分からないので、菫に案内してくれる様にお願いをする。


菫が連れられてきたのは、ラベンダー温泉であった。
その温泉はその名の通り、ラベンダーが一杯浮んでおり、温泉に近づくとラベンダーの良い香りがする温泉であった。
しかも、お肌はつるつるになると言うので、ここのメイド達には結構人気のある温泉の様である。
菫は温泉に着くと、先程からの笑いが止まらない様で、くすくすと笑いながら洋介に話し掛ける。
「洋介さん、それではお足だけを、温泉に付けて、端の方にお腰をおかけ下さいませ。先程から見ております所、そのままではお辛いようですので、私がお清めして差し上げますわ」
そう言うと、菫は恥ずかしさから「きゃっ」と言い、手で顔を覆う。
洋介も菫の言葉の意味が分かったのだが、恥ずかしくてどうしようか迷ってしまう。
(…菫さんがやってくれるんだ…。でも、恥ずかしいんだよなぁ……。でも…、かなり苦しいし……)
洋介は真剣な面持ちで迷っていたが、洋介の体の方は正直であった。
洋介が悩んでいる間も、体の方は勝手に動き、律儀な事に、きちんと温泉に足を付けて座ってしまったのだ。
洋介は散々迷った挙句、やっぱり恥ずかしさから菫に断ろうとしたその時、自分がしっかりと温泉に腰をかけているのに気付いた。
「あははは……」
洋介は自分の息子のしつけの足りなさに苦笑するしかなかったのだ。
 
菫は恥ずかしくはあったが、自分が言い出した事なのでしっかりしなければと思い、温泉に浸かり、洋介の前に跪く。
「…洋介さん……。それでは失礼させて戴きます。初めてでございますので、何も分かりませんがどうか宜しくお願い致します」


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