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華が香るとき
官能リレー小説 - その他

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華が香るとき 7

カプセルの拘束を外して海に転がす。海に落ちたカプセルは二つに割れて中からエアボートが膨らんだ。
「よし、あとは飛び込むだけだ」
洋介は再び船尾に向かった。船尾でもう一度、エアボートの位置を確認する。若干船から離れてはいるが、十分泳いでいける範囲内だった。
「よし、行くか!」
軽く準備体操をすると船べりに足をかけた。気分は飛び込みの選手である。
「いざ!」
だが勢いよく飛び込もうとした瞬間、洋介は物凄い力で後ろに引っ張られた。
「どわっ!?」
洋介が慌てて振り向くと、先程の女性が彼の腰をがっちりと抱えていた。その後ろにはメイド服を着た女性が何人も居並んでいる。
「何をしているのかしら?ここは飛び込み台ではありませんよ。洋介さん」
「く…」
(しまった!見つかった!)
洋介は苦し紛れの言い訳を試みた。
「いや、あの、今そこにシーラカンスの大群を見つけたもんで、一匹くらい捕獲しようとつい」
「つくならもう少しマシな嘘をついてください。逃げようとしていましたね?」
「は、はい…すみません」
全く通じなかった。何故か謝る洋介。
「何で分かったんですか…」
「救命ボートが下ろされたら警報が鳴るんですよ」
「しまった…」
洋介は自分の浅はかさを後悔した。一か八か船尾まで行かずにボートと一緒に飛び込むべきだったのだ。
「とにかくこっちに来てください」
彼女が目配せすると洋介の左右からメイドが近づいて彼の腕をそれぞれがっちりとホールドした。そのまま船内に引きずり込まれていく。
「ま、待って!話せば分かる!話せば分かるから!」
「「「問答無用です!」」」
女性達は取り付く島もなかった。

洋介は再び船室内に戻され、両手両足をガッチリとロープで固定された。
(ああぁ…この縛り方、なんか気持ちいいかも…)
と今の状況を全く無視した事を自分だけの世界で思っていたが、女性とメイド達の言葉で引き戻された。
「「「「洋介さん(洋介様)!もう逃げたりさせませんからね!!!!」」」」
そう言って、彼女たちは船室から出て行った。
誰か一人が「後でたっぷりと逃げた罰を与えますから。ふふふ…もう逃げたいなんて思わせませんわ…」
という言葉を残して。
あれから半日…
「やっと、お目覚めのようですね」
「あ、うん」
 何気なく返事を返す洋介であるが、
「って、何で俺がこんな事されないといけないんだ!?」
 ようやくその女性に気付いたようである。
(なんてニブイ人なの…)と、その女性は思ったが、口には出さなかった。
「うふふ…、元気のよろしいこと」
「そんな事はどうでもいいだろ!おい、早くこの縄を外せよ!」

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