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華が香るとき
官能リレー小説 - その他

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華が香るとき 6

洋介と幸子の関係は最後の関係までは行かなかったが、洋介が中一の時に先生が結婚するまで続いた。
先生とは今はもう連絡は取れないが、昔起きた出来事を思い出し、洋介の股間は再び大きくなっていた。
「あっ、ロープが無い。寝ている間に解かれたんだ」
そこで洋介は自分がSM(本人はそう思っている)から解放されたのに気付いた。
「よし!この隙に、こんな訳の分からない所から抜け出してしまおう」
洋介はSMの快感をこれ以上味わえない事を微妙に後悔しつつも、本人も気付かぬ間に夢精していた体のまま、部屋を出て行くのであった。
だが部屋を一歩出たところで妙齢の女性に出くわしてしまった。どうやら先刻部屋に入ってきた女性のようだ。
(うお!ツイてねえ!)
洋介は自分の運のなさを嘆いた。
「今度こそ本当にお目覚めですね。元気そうでよかった…」
女性は洋介の企みに気付いていないようだ。これならまだ望みがある。
「え、ええ。すこぶる元気ですよ。もう絶好調って感じで…」
「それはなによりです。ところでどこに行こうとしていたんですか?」
ギクリ!
「い、いやその。あまりに元気すぎてトイレに行きたくなってしまいまして…決して逃げ出そうとしていたわけではありませんです、はい」
洋介は緊張のあまり余計なことを口走った。
「そうですか…トイレはここを出て右の方です」
女性はトイレの場所を教えてくれた。幸いにも感付かれなかったようだ。
「ありがとうございます!それじゃ!」
「待ってください」
走り出した瞬間に呼び止められて洋介は再びギクリとなった。
「な、何か…?」
「あの、くれぐれも変なことを考えないでくださいね」
「と、言いますと…?」
「ここから逃げたりしないでくださいということです。そうされると私の企みがばれて姉さんに…」
「え、それは一体…?」
「決して悪いようにはしませんから…」
「はあ…」
意味深な言葉を残して女性は去って行った。その期を逃さず洋介は船べりに出る。
「やっぱり陸地は見えないな…」
洋介は辺りを見渡したものの、見えるのは海ばかりで陸地は見えなかった。これでは海に飛び込んで船から逃げても助かる確率は小さい。だが…
(それでも何もしないでただ待つよりはマシだ!)
このまま逃げなかった場合どうなるかは不明だが、最悪の場合奴隷として一生働かされる可能性もある。洋介は死中に活を求めることに決めた。
目指すのは船尾である。そこからスクリューの後ろに飛び込めばスクリューに巻き込まれる危険が小さくて済むからだ。音を立てないように歩いて移動する途中、洋介は横倒しになった樽のようなカプセルを発見する。
(有難い!救命ボートだ!)
泳いで帰るのは難しいかも知れないが、救命ボートに乗れば助かる確率はグッと高まる。洋介は迷わず頂戴することにした。

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