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華が香るとき
官能リレー小説 - その他

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華が香るとき 46

…ここにいる者は全員孤児なのでございます。わたくし達は主に日本から来た者が多いのですが、その他に世界各国から来ています。桜様のお父様、つまり洋介様の御爺様の事でございますが、洋介様を手放されてとても落ち込んでいらっしゃいました。そこで、せめて洋介様を幸せに出来なかった代わりに、何の罪もない不幸な子供達を幸せにしてあげたいと思われたのです。
わたくし達2人は別々の孤児院にいましたが、日本から来ました。洋介様のお爺様は貧しい孤児院から、わたくし達の様な者を引き取っておられたのです。
しかし、わたくし達以外の、つまり日本以外から来た者の中には戦争孤児もおります。洋介様のお爺様は、本当に恵まれない子供達を幸せにしたいと思っていらっしゃったのでしょうね」
2人は洋介が話を聞いて少し辛そうにしているのを見て、飲み物を入れて一呼吸おいてくれた。
話をしていた時も今も、2人は洋介とは違い全く辛い様な話ではない様に見えた。
洋介は2人が自分が孤児なのになぜ辛くないんだろうと思いつつも、2人が再び話を始めたので話を聞く事にした。
「わたくし達はこの島に来た後、まずこの島の学校に入りますの。その学校の先生は、洋介様のお爺様とお婆様、桜様と菫様、そしてわたくし達と同じ運命を辿った方達でしたわ。つまり、今日からはわたくし達は洋介様専属のメイドとして働かせて戴く事になりましたが、昨日まではわたくし達もその学校の先生でしたの。学校での勉強はとても楽しいものでしたわ。
先生方は皆お優しくて、円で本当のお父様、お母様、お姉様の様に接して戴きましたの。わたくし達はその学校に入った後、日本で言う高校までの学問を全て教わりましたわ。でも、学校での学問の他にわたくし達はもう一つ特別な授業がございましたの。
それが、わたくし達がなぜ洋介様をこんなにお慕い申し上げているかの理由ですわ。
わたくし達は一日の授業が終わった後、毎日『洋介学』という授業がございましたわ。その授業では洋介様のお話をお聞きしたり、洋介様について語り合ったりしましたわ。授業の先生は、洋介様のお爺様、お婆様、桜様、菫様でございましたわ。
洋介様の小さい時の事は主に桜様と菫様。そして、洋介様の今のお父様から定期的に連絡が入っいたからでございましょうが、割と最近の洋介様の事は、洋介様のお爺様とお婆様からお聞きしていましたの。しかし、桜様と菫様には今の洋介様の事は絶対に言ってはいけないと言われていましたが…。

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