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華が香るとき
官能リレー小説 - その他

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華が香るとき 40




それからしばらくして…
洋介はいつの間にか無意識の内に立ち上がって、ドアに張り付いていた。
雪乃との事、そして己のこれからの事を考えると頭が痛くなりそうだが、だからと言ってその事だけで長時間立ち尽くす程洋介は出来た人間ではない。
どれ位の時間が経ったか分からないが、ドアが涎だらけになってしまい、その違和感に気付いた洋介が漸く意識を取り戻したようだ。
「そうか…そういえばこの後、俺の歓迎会だったな…え〜っと、どこであるんだっけ……まあ、取り敢えず屋敷の下に行ってみるか」
そう一人呟き、洋介は部屋を出る。
洋介は取り敢えず、部屋を出て適当に廊下を歩いて階段を見つける事にした。
普通は食事をする部屋は、一階だろうと思ったからである。
そうして少し歩いた所で、一人の女性が正面から歩いて来ているのが見えた。
今まで、洋介の部屋から少し時間が経っていたが、皆食事等の準備をしているのであろう。
誰とも会わなかったし、廊下沿いにある部屋からも人の気配はしなかった。
そして、洋介がまた少し歩くとその人物が誰であるかやっと分かった。
「菫さん、どうしたんですか?」
洋介が目の前まで来た菫にそう質問すると、菫はきょとんとした表情をし、そして少し呆れた様に洋介に答えた。
「はあ…洋介さん…貴方の歓迎会のエスコートをさせて戴きに来ただけですわ」
菫は洋介の、洋介が前から歩いて来た人物が菫と分かってそのような態度を取った事に少し不満であった。
「洋介さん…お体は疲れていないですか?先程随分楽しまれていたようですが?夜も長いですし、程ほどになさいませね…」
菫はそう言うと今度はあからさまに溜息をついた。

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