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華が香るとき
官能リレー小説 - その他

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華が香るとき 36

そのまま白目を剥いて動かなくなる。どうやら失神したようだ。
「うああっ!はあ、はあ、はあ…」
雪乃の中に放出し終えた洋介は、体を後ろに倒して尻餅をついた。固さを失ったペニスが雪乃のオ○ンコから引き抜かれてだらりと垂れる。さすがにしばらくは復活しそうになかった。
「俺は一体…?」
射精を終えた瞬間から、洋介の頭に冷静さと判断力が徐々に戻って来ていた。同時にあれほど強烈だった性に対する衝動が嘘のように引いていく。まさしく我に返ったという状態であった。
「雪乃さん…?」
洋介の目の前には彼のしたことの結果、つまり下半身を剥き出しにした雪乃が横たわっていた。
ほとんど一直線に開かれた雪乃の両足の中央からは、破瓜の血と洋介の精液が流れ出していた。もっとも溢れ出た愛液のため、どちらも辛うじて分かる程度だったが…
(何てことやっちまったんだ俺は。嫌がる雪乃さんを無理やり…)
客観的に見て雪乃が嫌がっていたかどうかは疑問の余地がないでもない。しかしともかく洋介は激しい後悔の念に襲われた。放心状態になり、ペ○スをしまうことも雪乃を助け起こすことも忘れてただその場にへたり込む。
(最低だ、俺は…)
それからどれほどの時間が流れただろうか。洋介はふと自分の名前が誰かに呼ばれたような気がした。
「…介様」
「え…?」
「洋介様!」
呼び声の主は洋介が答えないことに業を煮やしたのか、とうとう大声を上げた。その声に反応した洋介の体がびくんと跳ね上がる。
「は、はいっ!?」
「もう…さっきからずっとお呼びしていましたのに…」
洋介は座り込んだまま首を動かして声のした方を見上げた。
当然ながら彼に声を掛けていたのは雪乃である。彼女は両手を腰に当てた仁王立ちで洋介を見下ろしていた。
破れたメイド服からは乳房と股間が覗いているが、雪乃は隠そうともしない。
「あ、あの、雪乃さん。俺は…」
「嗚呼、酷い目に遭いました」
口を開きかけた洋介を完全に無視し、雪乃は芝居がかった口調で話し始めた。
「信頼しお慕いしていたご主人様に裏切られて襲われるなんて…トラウマで精神的外傷です。PTSDです」
「あの…」
「そうです。やがて仕事の手に付かなくなった私は桜様や菫様からお払い箱にされて路頭に迷い…」
「雪乃さん…?」
「そして大晦日の夜、優しかった祖母の夢を見ながら一人寂しく道端で凍死するのです」
「マッチ売りの少女ですか…?」
「死体は冷たい死体安置所に留め置かれて引き取る人もなく、やがて無縁仏として…」
雪乃は涙ながらに自分の不幸な末路(?)を語り続けた。定番中の定番である目薬は当然ながらその手に握られている。ただ、大げさな身振り手振りでその使用を誤魔化している点だけはオリジナルであると言えないこともない。
だがそんなことに全く気付かない洋介は、どうしたら雪乃を救えるだろうかと考え始めていた。
「雪乃さん…」
「そして私の名前は未来永劫語り継がれ、無能なメイドの代名詞として…」

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