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華が香るとき
官能リレー小説 - その他

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華が香るとき 31

どうやってかは知らないが洋介の好みを熟知しているようだ。
「…………」
「いかがでしょう…?」
ため息をついたきり一言も発しない洋介に雪乃が不安そうな表情で尋ねた。だが洋介は沈黙を続ける。何と言ったらいいか迷っているのだ。
しばらくして、ようやく洋介は口を開いた。
「正直、口を付けるべきじゃなかったかな…」
「え、まさか…?」
雪乃の表情に衝撃が走った。それを見た洋介が一呼吸置いて言葉を続ける。
「これを飲んだらもう普通の紅茶は飲めそうにありません。貧乏人に酷いことをしますね…」
洋介はそう言うと雪乃に微笑みかけた。影が差していた雪乃の表情が、途端にぱっと明るくなる。
「お気に召していただけたのですね!」
「ええ。飲み干してしまうのが惜しいくらいです」
「そんなこと仰らずにどんどんお飲みくださいませ。おかわりが沢山ありますわ!」
「はい!」
洋介はカップの中を空にした。雪乃はすぐにティーポットから新しい紅茶をカップに注ぎ、ミルクと砂糖を入れてくれる。何杯飲んでも飽きが来ない味であった。
「ごちそうさま…」
最後の一杯を飲み終えた洋介がカップをテーブルに置く。
こんなに満ち足りた気分になったのはいつ以来であろうか。
空のティーポットを捧げ持つ雪乃が、洋介の顔を覗き込んで尋ねた。
「満足していただけました?」
「もちろんです…また飲ませてください」
「いつでもお持ちしますわ。洋介様…」
雪乃がティーセットをワゴンに片付け始める。その様子を静かに見守っていた洋介だったが、ふと体に異変を覚え始めた。何やら胸の辺りが熱くなり始めたのだ。
(ん…?)
最初は熱い紅茶を飲んだのだから当然だと思ったが、飲み終わってしばらく経っても熱は一向に引く気配がない。
それどころかどんどん高まっていく。
(これは一体!?)
それだけではない。運動もしていないのに心臓の鼓動が激しくなってきた。おまけに何故かペ○スが先刻以上の硬度を誇示している。ズボンとパンツをはいたままなので、押さえつけられて痛いくらいだ。
「うおお!?」
洋介は立ち上がると雪乃がいることも忘れてベルトを外し、チャックを開いてズボンを下ろした。ペ○スを押さえるのがパンツだけになっていくらかマシな状態になる。
(もしや疲労が溜まって体調を崩したのでは?)
と、洋介は考えた。
ペ○スの異常にしろ、男があまりに疲れると興奮しなくても勃起してしまうことがあると聞く。いわゆる疲れ○ラだ。心なしか頭もぼんやりしてきた。
「どうなさいました、洋介様!?」
洋介の異変に気付いたらしい。雪乃が心配そうに尋ねてきた。
「ああ、少し疲れたみたいです。ちょっと休み…うっ!」
雪乃の方を向いて返事しかけた洋介だったが、すぐに彼女から顔を背けた。雪乃の顔を見た瞬間、強烈な衝動を覚えたからだ。それは何ということか、
(雪乃さんを犯したい!めちゃめちゃにしてしまいたい!)
というものである。

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