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華が香るとき
官能リレー小説 - その他

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華が香るとき 25

しかし、洋介はその言葉を聞いてはっとした…。
今まで父親の仕事の都合とかで何度も引越しをしてきたからだ…。
北は北海道から南は沖縄までだ…。
そのせいか洋介には今まで親友と呼べる友達はいなかった。
そして、漸く何日か前までいた東京に来たのは洋介が高校に入る時だった…。
高校というのは様々な中学からも人が集まってくるので、洋介はやっと親友と呼べそうな友達が出来つつあったのだ。
洋介はこれからどうなるのかはまだ分からないが、その友達ともまた別れないといけなくなるかもしれないと思うと、少し悲しくなっていくのであった。

菫が再び話を戻す。
「先程お話しました様に、私達はずっと洋介さんをお探ししておりましたわ…。今まで洋介さんが見つからなかったのは、私達のお父様が力を使ってたからですの…。
…そしてやっと洋介さんを見つける事が出来ましたわ…。しかし…、洋介さんを見つけた時…、私は悩みましたわ…。
確かに今まで洋介さんを一生懸命お探ししました…。お父様がなぜ洋介さんを今の洋介さんのお父様に引き渡したのかも分かってるつもりです…。
しかし…、桜のあんな姿を見ていると不憫でならなかったんですの…。
桜はあれから十何年間、ずっと廃人の様でしたの…。
それが、漸く洋介さんが見つかって桜を安心させて上げられると思いましたのに…、いざ洋介さんを見てみると…、楽しそうな日々を過ごされているではないですか…。
だから…、私は悩みました…。桜のあの姿を見るのは不憫でならない…。でも…、洋介さんの幸せな日々を奪ってしまうのはもっといけない事なんじゃないだろうかと…。
だから…、私は洋介さんのお父様に相談致しました…」
すると洋介さんのお父様は『そうか…、あの方たちも亡くなられたのか…。菫さん…、確かに貴女達の気持ちもわかります…。
しかし…、私も今まで十何年間も洋介と苦楽を共にしてきているから洋介を手放したくはない…。しかし…、洋介には確かに今までの生活が本当の幸せなのか分からない。
貴女が洋介を見つけてしまった今となっては洋介は人生の分かれ道に立たされたという事になったのかもしれない…。
私がどう言おうが、洋介の幸せは、洋介自身が決めないといけない事だから…。

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