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華が香るとき
官能リレー小説 - その他

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華が香るとき 24

そして、両親は私の父親の部下になる方に洋介さんを預けましたわ…。そう…、洋介さんの今のお父様ですわね…。後になって分かった事ですが、両親は洋介さんの育ての親というお方に、
『このお金でどこか遠くへ行って洋介を育ててくれないか?君には本当に申し訳ないが、洋介の為を思っての事なんだ…。
私もできれば洋介は手放したくはない…。しかし…、今の桜の状態を見ても…、そしてこれからの私達夫婦の事を考えても…、洋介がまだ幼い内に、君の様な立派な人間に育てて貰った方が、洋介の為だと思うのだ…。
これははっきり言って私達夫婦の我儘だ…。君の人生を狂わせてしまう事も勿論分かっている…。
しかし…、君も奥さんを亡くしてしまった今だからこそ君に頼むべきだと考えたんだ…。頼む…!!どうか洋介を育ててやってくれ…!!』
と言ったそうですの…。

それと…『もし…、このお金で足りない様なら遠慮せずに言ってくれ…。
本当は私達が負担しなければならないお金だからな…。あと…、できれば…、偶にでいいから…、洋介の状態を私に知らせて貰えないだろうか…?
しかし…、これも我儘だが…、洋介には本当の父親が誰なのか…。母親はどうしているか等はまだ知らせないで欲しい…。
そうだな…、せめて洋介が20歳になるまではこの事は洋介に伏せておいて貰えないだろうか…?
洋介が20歳になった時…、もし私達の事を認めなくてもそれは仕方のない事だ…。
その時は…、君の本当の息子として育てて貰っても、洋介を手放してくれても構わない…。
どうか…、洋介を幸せにしてやってくれ…』と言ったそうですの…」
洋介は今までの話を聞いて何となく自分が幼い時の事を思い出していた。
しかし…、洋介が思い出せるのは、幼い時に誰か…、とても洋介にとって大事な人を亡くしてしまった事…。それしか思い出せないでいた。
洋介がボーっとしているのを見て、菫は淋しそうな顔をするが、再び話を始める。
「…今回洋介さんをここにお連れする事に初めは悩みましたのよ…。
実は桜は両親に言われて納得していたからです。
ですが、一度納得したからと言って諦めきれませんでした。
洋介さんがいなくなってから、私達はあらゆる手を尽して洋介さんをお探し致しましたわ…。
でも…、今までどうやっても洋介さんは見つからなかった…。私達の両親に聞いても知らないの一言だった…。そして…、両親が他界して漸く洋介さんの居場所がわかりましたの…。それが雅か東京だなんて…」
菫は本当に悩んでいたのか、ちょっと苦しそうな表情をしていた。

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