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華が香るとき
官能リレー小説 - その他

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華が香るとき 18

さっきまで「疲れた〜」「もう帰ろうよ〜」とか、言って菫を苦笑させていたが、屋敷についた時には、もう先程の花と屋敷の凄さに心を奪われている。
屋敷は立派で、まるで桃源郷を思わせる様な空間がそこに存在するのだが、いざ玄関のドアを開けるとなると、心にズシンとくる様な雰囲気を漂わせている。
「うふふ…。洋介さん、どうしたんですの?」
「あ…、いえ…」
洋介がドアを開けるのを躊躇っているのを見て、菫がドアを開けてくれる。
「さあ、洋介さん。中に入りましょう…」
菫は洋介の手を取ってくれ中に連れて行ってくれた。

「わあ…。何これ…」
屋敷の中に入った洋介は、中の様子を見て驚愕する。
屋敷の外も立派だが、中も目に見張るものがあった。
屋敷の中を一歩入ったら、そこだけで500人位は入る大きなホール。
正面には大きな肖像画があり、そこには菫にそっくりな人物が2人と小さな子供、そして若い男性が描かれている。
そして、その両脇に大きな螺旋階段。勿論洋介が今立っている所は赤の綺麗な絨毯が敷かれている。
そしてどこを見ても、無知な洋介でも分かる、有名であろう調度品の数々。
他にも色々と洋介が今まで見た事もない様な物が置いてあり、洋介はこの空間にいるだけで倒れそうになる。
「ふふふ…。洋介さん…、このお屋敷の中の説明はまた後でしてあげますから、次に参りましょうね…」
そう言って2階へと上がり、奥に連れられていった。
「さあ、この部屋ですわよ」
菫はこの部屋に来るまでも終始笑顔だったが、この部屋の前にたつとその笑顔が今まで見せてくれた笑顔以上の満面の笑みになっていた。
それは、安堵というか達成感と言うか、兎に角幸せの絶頂と言う様な顔であった。
洋介は菫の笑顔が気になりながらも、突然の拉致に始まるこの数日間の理不尽な拘束の事を聞きたいと言うのもあるので、意を決してドアを開けた。

ドアを開けた瞬間…。
洋介の口が何かで塞がった。
「んんん〜…。うふ…。ん…、んん〜…」
くちゃくちゃと何かが音を立てているが、突然の事で洋介は理解できずにいた。
(ん…?何だこれ…!?俺、今何かされてるんだよな…?)
と、洋介が目線を下にやった瞬間!!洋介は菫と目が合ってしまった。
(うん…?すみれさん…?いや…、菫さんは確かにまだ後ろにいる筈…。というかこれ何…?うわ…、キスじゃん…。菫さん?いきなり何て事を!)
やっと自分に起きている状況を把握した洋介が目線を上げると、後ろにいた筈の菫が激怒りって顔をして目の前に立っていた。
と、菫はいきなり洋介とキスをしている“すみれ“を有無を言わさずといった感じで引き離した。
「…ちょっと桜…!洋介さんにいきなり何してるのよ!」
だが、菫が怒っているのを見ても「桜」と呼ばれる人物は「何で?私、何かいけない事をした?」という顔をする。

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