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華が香るとき
官能リレー小説 - その他

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華が香るとき 165

「わ、分かりました……」
洋介が頷くと、雪乃は満足げに笑みを浮かべ、部下のメイドの一人に目くばせをした。その部下は携帯電話を出し、医療班を要請する。それを見届け、雪乃は海女姫に言った。
「海女姫、洋介様をお連れしますわよ」
「かしこまりました。メイド長」
海女姫は洋介の両脇に手を入れると、ぐいと引っ張って上体を引き上げた。それと同時に命が洋介の両足を掴んで持ち上げる。2人のメイドに持ち上げられて運ばれる格好となった。
「ちょ、ちょっと何するんですか!?」
「聞いてなかったの? これから付き合ってもらうよ。洋介様」
命が答える。
「でもせめて、医療班の人が来るまで郷子さん達を見ていないと……」
「「「…………」」」
洋介は重ねて抗議したが、雪乃始めメイド達はもはや誰一人耳を貸さず、洋介はそのまま運ばれて行った。

結局洋介は、全裸のまま海女姫と命に運ばれ、館へと帰りついた。玄関から入っても2人は下ろしてくれず、廊下を粛々と行進する。
(誰かに見られたらどうしよう……って言うか、ずっと海女姫さんのオッパイが背中に当たってるんだけど……)
雪乃ほどではないものの、豊満な海女姫のバストの感触は、洋介のリビドーを掻き立てていた。服を着ていたらこの場で分からないようにオナニーを始めたいところであったが、真っ裸ではそれも難しかった。
(後で感触を思い出してオナニーしよう……)
そんなことを考えているうちに、雪乃率いるメイドの行列(+洋介)は1つの部屋の前にたどり着いた。部屋の中に入り、ようやく洋介は下ろしてもらえる。
「ここは……」
そこは、やや広めの会議室のような部屋だった。
正面を除く三方の壁際には部屋の中央に向かう形で机がずらりと並び、正面には一段高い壇があり、机が三つ置かれている。そして部屋の中央には、正面に向かう形で机が一つ設置されている。
「これって……」
洋介は、この机の配置に見覚えがあった。また嫌な予感がする。
「洋介様、こっちこっち」
命が洋介の手を引き、正面に向かって右の方に連れて行った。海女姫が左の、正面に近い机に座り、さらに雪乃を含めた3人のメイドが正面の座席に座る。そしてドヤドヤと入ってきた残りのメイド達は、それぞれ空いている椅子に座った。
「あの、まさか……」
最後に入ってきたメイドは、扉を閉めるとガチャリと鍵をかけた。もう誰も入ってこられない。
洋介を除く全員が座席に着いたのを確認すると、雪乃は厳かに口を開いた。
「ではこれより、御主人様裁判を開廷いたします」
「はあああ!?」
洋介の口から、思わず素っ頓狂な声が出てしまった。机の配置から、裁判らしきものをやるようだと薄々感付いてはいたが、改めて言われるとやはり衝撃的だった。
「静粛に! 被告人は私語を慎みなさい!」
雪乃がどこからか木のトンカチを出し、ガンガンと机を叩く。

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