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華が香るとき
官能リレー小説 - その他

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華が香るとき 139

八潮に呼びかけられた洋介は、慌てて踏み台を使い、地面に降りた。そして両手で毛布を押さえつつ、八潮とグレイシアに歩み寄る。すると八潮は、飛行機を指差してこう宣言した。
「洋介様には、この飛行機に乗っていただきます」
「えっ……俺、飛行機の操縦なんかできませんよ?」
いきなりとんでもないことを言われた洋介は、当然のように困惑する。だがそこにグレイシアが進み出て、説明を引き継いだ。
「ご心配には及びません。操縦はもちろん、この私が行います。洋介様は後ろの座席にお座りください」
「後ろの座席?」
「はい。この飛行機は二人乗りなのです」
そうだったのか。それなら大丈夫かな。少しばかり安心した洋介だったが、ふとあることが気になった。
「あの、でも俺、この格好のままじゃ……」
俺にもカーチスさんみたいなジャケット、用意してもらえませんかね? そんなニュアンスを言外に匂わせつつ、洋介は一同を見回す。すると何を思ったのか、グレイシアがヘルメットを地面に置いた。
「では、私のをどうぞ」
グレイシアはいきなりジャケットの前を開き、周囲が止める間もなく脱ぎにかかった。
「え?」
驚いたことに、彼女はジャケットの下に何も衣類を着けていない。ハンドボールのようなサイズの乳房が両方とも露出し、洋介の目を直撃した。
「ぐはっ!」
思わず目を逸らす洋介。八潮は慌ててグレイシアの前に立ちふさがり、郷子は洋介に近づいてその耳元で、
「私の方が、1センチ大きいですよ」
と意味不明なことをささやいた。
「カーチスさん、やめてください!」
「何故だ? 私はただ洋介様に……」
八潮とグレイシアの押し問答が始まる。洋介は郷子に「そうですか……」と曖昧な返事を返してから、言い争う二人に声をかけた。
「あの、恐れ入りますが……」
「ちょっと待ってください。今服を着せますから!」
「少々お待ちください。今下も脱ぎますので!」
押し問答は揉み合いに発展していた。グレイシアは完全に上半身裸になり、さらにズボンを脱ごうとするのを八潮が阻止している。一向に妥協する様子のない二人を見て、洋介は途方に暮れた。東京にいた頃なら、『止めんか! 止めないとこの場でオナニーするぞ!』と発言して強引に収めるのだが、ここでそう言ったら色々な意味で大変なことになりそうだ。
(どうしようかな……)
洋介が考えあぐねていると、彼の肩を叩く者があった。
「洋介様。私共にお任せください」
「郷子さん……」
「みんな、かかりなさい!」
「「「はいっ!」」」
郷子の号令の元、部下のメイド達が疾風のように八潮とグレイシアに襲いかかった。彼女達はまず二人の背後にそれぞれ迫り、腕や服を引っ張って無理やりに引き分けさせる。
「ちょっと! 離しなさい!」
「うわっ! 何をする!?」
八潮とグレイシアが騒ぎ立てるが、メイド達には馬の耳に念仏だった。二人はたちまち、地面にうつ伏せに押え付けられる。

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