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華が香るとき
官能リレー小説 - その他

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華が香るとき 132

踏み台を降りた郷子が高らかに叫び、先頭に立って歩き出した。棒を持つメイド達はゆっくりと一輪車を動かし始め、残りのメイドはその後を粛々と行進する。一方洋介は天を仰ぎ、
(ああ、何という突き抜けるような青空……)
早くも現実逃避を始めていた。

…………

「という訳で、私がメイド長になった暁には……」
「はあ……」
「私の部屋と洋介様のお部屋を一つに繋げてですね……」
「ははあ……」
逃避したのも束の間、ものの数秒で洋介は現実に引きずり戻されていた。一輪車の横に郷子が移動してきて、彼に向って嵐のように話しかけ出したからである。
「あの女からはメイドのライセンスを剥奪して、どこか遠くの……」
「へえ……」
若干上の空ではあったが、洋介はどうにか相槌を打っていた。だがそんな彼の眼に、ふとあるものが飛び込んでくる。
(あっ、あれはっ!)
それは先程まで洋介がまとっていた毛布だった。木の枝に引っかかり、かすかにはためいている。風に飛ばされそこまで流されていたのだ。ここで見付けたが百年目、彼は恥を捨てて騒ぎ立てた。
「止めてください! 降ろしてください!」
「どうなさいました? 洋介様」
「あ、あれ……」
洋介が毛布を指差すと、郷子は黙って右手を挙げた。そこで初めてメイド達は一輪車を停止させる。
「あ、あの登るやつを……」
洋介は例の踏み台を所望した。彼が座っている座席は、飛び降りるには少し勇気の要る高さなのだ。
「「…………」」
もっともその声に応える者はなく、郷子は自分で毛布を取りに歩いていった。
「どうぞ」
「ど、どうも……」
やがて戻ってきた郷子は、車上の洋介に毛布を差し出した。だが洋介が毛布を握った瞬間、彼女はいきなり強く手を引っ張る。洋介は一たまりもなく座席から転落した。
「うわあっ!」
辛うじて着地に成功。やれば案外できるもんだなと思った洋介だが、問題はそういうことではない。
「郷子さん、どうして……?」
「洋介様、お駄賃は?」
「え?」
「はあ……少々お待ちください」
洋介の抗議を無視し、何故か彼の股間を見てため息をつく郷子。彼女は毛布を離すとエプロンを外し、メイド服を一息にはだけさせた。超特大のスイカのような乳房が二つ、勢いよく露出してブルンブルンと揺れ動く。
「な、何をして……」
「では、準備させていただきます」
「ひ……」
薄笑いを浮かべ、両腕で乳房を強調しながら郷子は洋介ににじり寄った。その妖しい雰囲気にたじろぎ後退しようとする洋介だったが、左右から二人のメイドに腕を取られ、あえなく動きを封じられる。
「ああ……」

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