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華が香るとき
官能リレー小説 - その他

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華が香るとき 121

何と返答した物か。洋介がしばらく脳内国連総会で討議していると、向こうの方が先に話し始めた。
「もしかして……デルフリンゲルさん達とセックスされていたのではないでしょうか?」
「ぶっっ!」
図星を突かれて洋介は驚愕した。口の中に何か入れていたら噴き出していただろう。しかしどうしてそれが彼女に分かったのか。
「な、何故それを……?」
「いえ……デルフリンゲルさんが洋介様の事を話していた時、獲物を狙う女豹のような目付きでしたので。もしかしたらと思いまして……」
ショートカットの女性も、確かにそうでしたと肯く。どうやら先程の乱交沙汰も二人にとっては想定内の出来事だったようだ。無駄に苦悩してしまった洋介は全身の力が抜けていくような心持ちになった。
「そ、そうでしたか……」
「そう言えばデルフリンゲルさん達とはご一緒でないのですか?」
「いえ、その、終わった後に喉が渇いてしまって……ちょうどそこに水の音が聞こえたんです。それで泉でもあるのかと探し回っているうちにここまで来てしまったという次第で……」
「水の音……?あっ!」
洋介の言葉に、何故か眼鏡の女性はドキリとした表情になった。先程よりも一層顔を赤らめると強い口調で否定する。
「い、いいえ。泉などありません。水音というのは洋介様の幻聴です!」
「そ、そうでしょうか……」
女性の勢いに洋介はビビッてたじろいだ。確かに幻聴が聞こえても不思議ではないコンディションではあったが、何故こうまではっきり断言するのだろうか。
もっとも、こういう場合に深く追求しない方が無難である事を洋介はすでに学習している。
この件を打ち切って何か別の話題を持ち出そうとした洋介は、まだ二人の名前を聞いていない事に気が付いた。恩人の名前を知らないままでいるというのも不都合なので、遅ればせながら聞いてみる事にする。
「あの、お二人のお名前は……?」
すると眼鏡の女性がまず答えた。
「これは申し遅れました。私、ここ風力発電所の所長を勤めております伊予野華恋(いよの かれん)と申します」
ショートカットの女性が続けて答える。
「同じく職員の元町由衣(もとまち ゆい)です。今日は洋介様にお会いできて感激です!」
「発電所の、職員……」
言われてみれば、確かに彼女達は緑色の作業服のような物を着ていた。発電所の制服なのだろう。
「あのもしかして、今日俺を案内してくれるのは……?」
「はい、この私です。ここで洋介様をお待ちしておりました。もっとも私一人の予定でしたが……」
洋介の問いに華恋が答えた。タナボタでここに来る事ができた由衣は上機嫌である。
「そうでしたか……」

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