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華が香るとき
官能リレー小説 - その他

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華が香るとき 110

それから一時間程して洋介が目を覚ますと、先程までいたメイド達全員が洋介の方を見てうっとりとしている。
「あ、お早うございます…」
洋介は何故見つめられているのかは分からないが、何となく気恥ずかしくなるのである。
「洋介様、そろそろ昼食のお時間でございます。まだお疲れでしょうが、食堂の方までご足労願えませんか?」
ぐーっ…
洋介が今からご飯だと聞いてお腹を鳴らすと、周りにいたメイド達はくすくすと笑うのであった。
 
 
メイド達に案内されて、洋介は今食堂にいる。
はっきり言うが、洋介は案内をされないとこの食堂に来れない自信がある。
洋介が食堂に入ると、目の前には昨晩同様目に見張る位の料理が並んでいる。
昨日と違うのは、桜と菫がいないのと、先程まで洋介の面倒を見ていてくれたメイド達しかいない事だった。
洋介が席に着く(正確には着かされる)と、目の前には先程も言った様に沢山の料理があるが、肝心の箸やフォーク等が無い事に気付く。
「あの…また昨日みたいにしないといけないのですか…?」
洋介は昨日の悪夢?が思い出され、顔を引き攣らせながらメイド達に聞くが、メイド達はくすくすと笑うのみである。
「流石に洋介様をこれ以上お疲れにさせては、私達が桜様と菫様に怒られますので、昨日みたいな事はしませんわ」
そう言うとメイド達は手に持っていた箸やフォークで料理を洋介の口に持っていく。
「洋介様、わ・た・しの鰻を食べて下さいませ」
一人のメイドが洋介の口に箸でつかんだ鰻を持っていき自己アピールをすると、他のメイド達もそれぞれ洋介に食べさせようと料理を洋介に食べさせる。
しかし、「洋介様に無理をさせてはいけない」とメイド達は自覚しているので、きちんと順番に食べさせている。
「洋介様、ニンニクでございます。疲労回復には効果があるそうなので食べて下さいませ」
「洋介様、スッポンの生き血でございます…」
洋介はこれまでに沢山の物を食べさせられ、ニンニクまでは食べたのだが、スッポンの生き血と聞いて、聞かなかった事にして顔を背ける。
「洋介様…私の事は嫌いでございますか…ううぅ…」
スッポンを洋介に食べさせようとしたメイドは洋介に嫌われたと思い、泣き出してしまった。
「飲みます!飲みますから…」
洋介は急に泣き出されてしまったので、そのメイドから引っ手繰る様にグラスを取ると一気に飲み干す。

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