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華が香るとき
官能リレー小説 - その他

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華が香るとき 106

「うるさいわねっ!確かに私はお腹を痛めてないけど、貴女が夫婦喧嘩をしてる時、洋介さんをあやしていたのは私よ!貴女達は洋介さんが泣いていても、ずっと喧嘩をしていたじゃない!?だから私が洋介さんを育てて、洋介さんも私の事をママって呼んでくれるの!!」

―――――――――――

急に始まってしまった姉妹喧嘩…洋介やメイド、そして教師と被告人の生徒までが呆気に取られている。
洋介は「あはは…」としか苦笑する事しか出来ず、立ち上がるとその生徒の方へ近づく。
「あのさ…俺のせいでこんな事になってご免ね…菫さんや桜さんには後で言っておくから、もう帰っていいよ。勿論処罰とか無かった事にして貰うから」
洋介は今、男としては情けない服装をしているという事はすっかり忘れてその学生に微笑む。
洋介の笑顔を見て、その学生は暴言を吐いた事や、先程まで泣き崩れていた事などすっかりと忘れて、顔を赤らめ俯いてしまった。
「あの…先生ですか?先生も処分は無かった事にして貰いますから、早く学校に帰った方がいいですよ。二人の喧嘩が終わったら、また何が終わるか分からないですから…」
洋介は今度ははにかんだ表情でその教師に言う。
そしてその教師も顔をポッと紅潮させ、「洋介様…有難うございます!」と礼を言って深々と頭を下げると、生徒達を引きずる様にして学校へ帰って行くのであった。
「洋介様素敵ですわ…」「流石洋介様ですわ…」
「洋介様をそのまま食べていいですか?」
若干聞き捨てなら無い言葉が聞こえた様だが、メイド達は洋介の先程の行動が格好良く見えたのであろう。
ここにいる全員のメイドの目は洋介を崇める様な目や惚れきっている目で見ている。
しかし、洋介は、「ふう、良かった良かった…」と一人呟いていてメイド達の視線に全く気付いていなかったのだ。
 
教師達が見えなくなって洋介が周りを見渡してみると、何やら変な雰囲気になっている。
そこに一人のメイドが何やら妄想につぐ妄想を完結したという顔で洋介の所まで歩み出てきた。
「あの…洋介様…もう少しお髪を伸ばして戴けませんか…そうしたら私のフリフリのワンピースとスカートとブラジャ…」
「洋介さんご免なさい。ちょっと桜と仕事の話し合いがあって…あら、洋介さんどうしましたか?なんか顔色が悪いですが…」

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