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華が香るとき
官能リレー小説 - その他

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華が香るとき 103

「ううう…いいんです…洋介さんがご無事なら…」
菫は洋介が何もなかったのが余程安心したのだろう。
メイド達も安心したのか、殆どの者が涙を流しており、中には腰を抜かす者までいたのだ。

菫は一頻り泣いた後、隣にいたメイドに洋介を預ける。
「ちょっと洋介さんをお願い」
そして菫はそう言うと、何と服を脱ぎだしてしまった。
「菫様!!」
菫は今、薄いワンピースとロングスカートを着ている。
その服を脱ぐと下着しか残らないのだが、何も無かった様にその服を別のメイドに渡してしまう。
「この服を洋介さんに着せてあげて」
服を渡されたメイドは急に菫にそんな事を言われて困ってしまう。
「ですが、菫様…その様な格好でお屋敷に戻られては…」
「いいの。洋介さんが風邪をひくよりはいいでしょ?」
菫はそう言うと、洋介の顔を撫で、洋介の顔を見つめて自分の世界に入ってしまうのだった。
 
ピピピピ…ピピピピ…
洋介の無事な顔を見て、菫が悦に入っているとどこからともなく電話が鳴り、菫の大切な時間を邪魔をする。
「もう…一体誰かしら!?私の至福の時間を邪魔するなんて…」
菫はぶつぶつと文句を言っているが、近くにいたメイドが電話の鳴る方へ行き、何故か地面に設置されてある受話器を取る。
「もしもし…咲夜でございます…あ、はい…分かりました、少々お待ち下さいませ…」
咲夜が受話器を置き、急いだ様子で戻ってくると…
「菫様、申し訳ありません…桜様が菫様にお変わりして欲しいと…」
「はあ…桜からね…分かったわ…」
菫は渋々と言った感じで立つと電話の方へ行く。
「もしもし…」
「あ、菫ね…ご免ね、洋ちゃんの事、私もさっき知ったの…私が行こうと思ったけど、貴女が行ってくれたみたいだから」
本来は我先に動くはずの桜だが、菫が行き安心できたのか動かなかった様だ。
「まあね…洋介さんの事は他の全ての事よりも優先しないと生きていけないからね。で、話はそれだけではないのでしょう?」
「うん…私も途中からしか聞いてないんだけど、洋ちゃんの事を人間扱いしなかった学生がいてね…顔が見えなかったみたいだけど、『汚らわしいから早く処理して欲しい』って言ってたの。その学生の処分をどうしようか貴女に相談したの」

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