勘違いから始まった不思議なカンケイ!? 10
…この二人の反応次第では、美咲に再び?正式?な告白をするのに障害になってしまう。
「それがどうかしたのか?」
俺は逆に二人に聞いた。
「美咲ちゃん、最近、すごく嬉しそうだったから」
「そうか」
亜季はそう言うが、曖昧な態度しか取れない。
「二人は俺をどう思ってるんだよ」
「うん、岩月くんなら優しいし、美咲ともお似合いだと思うから」
「美咲ちゃんをよろしくね」
「あ、ああ…」
正直、意外だった。
芽衣は男勝りなところもあるから『美咲に近寄らないでよ!』とか言われそうで不安だったから…
「美咲は待ってると思うから、いつでも告白しなよ」
「あ、ああ」
「頑張ってね!」
そう言って、二人は教室に戻っていく。
「…参ったな」
しかし、決して悪いことではない。
風は俺のほうに吹いてるんだ。
―週末
部活を引退した後って、こんなにも余裕が出来るのかと思って驚く。
受験生じゃなかったら、暇すぎて持て余しただろうな。
もちろん、週末も時間を割いて受験勉強に取り組む。
まあ、勉強漬けも身体によくないから、程よくメリハリをつけて。
ピンポーン
「ん?誰だ?」
家の中は俺しかいない。
親父は釣りやゴルフの打ちっぱなし、母さんは買い物やウォーキングと、週末はもっぱら趣味のための外出が多いのだ。
玄関へ向かい、ドアを開けると
「お兄ちゃんっ!」
「おお、お前か」
澤野桃子。
近所に住む中学生だ。
お互いに一人っ子で、昔から実の兄妹のような付き合いなのだ。
「今日はどうした」
「ちょっと勉強に疲れたから、お兄ちゃんちに遊びに来たよ」
「そうか、まあ上がれよ」
「うん」
そういえば彼女も高校受験を控えていたな。
いつまでも俺を慕ってくれて本当に可愛い子だ。
「コーヒーか紅茶か、それとも他のものがいいか」
「オレンジジュースある?」
「うーん、炭酸しかないな」
「じゃあそれでいいや」
「そうか」
桃子をリビングまで通し、ソファーに座らせる。
俺はキッチンの冷蔵庫から炭酸のオレンジジュースを取り出し、グラスに注ぐ。
桃子は俺より身長が20cmくらい低いが、それでもだいぶ成長したと思う。
顔立ちもまだ幼いが、服の上からでもはっきりわかる…いや、はちきれそうなくらい胸が大きい。
…やばい、あんなのずっと見てたら股間がどうにかなりそうだ。
「ほれ」
「ありがとー」
無邪気な笑顔は可愛いんだ。
しかし、胸は、なんと言うか、凶器だ。