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新・三国志
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新・三国志 9


張飛と関平が援軍として益州へ向かった数日後、

曹操「ところで呉の動きは?」
司馬懿「陛下、ようやく荊州を攻める構えを見せたようで」

司馬懿が曹操を陛下と呼んだのは、皇帝から魏王の称号を与えられたからであり、
曹操「うむ。呉が動き次第、文遠達にも出撃させよう」

関羽「何?呉が兵を挙げただと」
諸葛亮「密かに魏と手を結んでいたようですね」

諸葛瑾「子敬殿が戻られるまで待つべきだったのでは?」
魯粛は密かに益州の南部の異民族を懐柔するために益州に行っておるのだが、
孫権「いや今ここで荊州を攻めれば玄徳は帰る場所を失うのだ」

突然の呉の来襲に、
諸葛亮「東から呉が動けば、北からは魏が動くでしょう」
趙雲「孔明殿。何か策は?」
諸葛亮「この策は如何でしょうか?」


周泰「殿、あまり深追いなさると・・・」
孫権「勢いを削いでは・・・」
突如側面からの奇襲に、呉の軍勢は黄蓋や韓当といった将を失う中、
周泰達は主の孫権を守りつつ散り散りになっていた兵達をまとめて撤退し、

趙雲「孔明殿。あなたの策が当たりましたな」
諸葛亮「いえ、子竜殿達の奮戦があればこそ(子元、そなたの授けてくれた策が役に立ったよ)」

呉の敗退を知った張遼は即座に退却し、
関羽「張文遠。退き際を誤らぬ将なり」
張遼とは曹操の元に一旦降った頃に、同じ新参という事もあって親しくしていたのだが、
関羽「魏の軍勢は逃したがは惜しいが、我らも退くとしよう」

その頃、益州では、
劉璋「憲和殿。私はこれからどう致せば宜しいかな」
簡雍「急にどうなさった?」

張魯を牽制するため、劉備が漢中に赴いている中、
劉璋の配下を刺激させないよう敢えて簡雍を益州の州都である成都に留まらせているのだが、
劉璋自身は簡雍をまるで久々に出会えた旧友のように接しており、

劉璋「父の代からこの益州を治めておりますが、民はどうも私を主とは思ってないようなのです」
簡雍「(民とは言っているが、恐らく法正や殺された張松の事だろう)」

簡雍から見て、劉璋には乱世を乗り切るだけの器量が見受けられないが、
簡雍「(季玉殿に忠義を尽くさんとする臣も少なくないのも事実だ)」
劉璋「出来るなら劉将軍と益州のこれからの事をお話したいのですが」

漢中では魏からの援軍を受け入れた張魯と劉備達の睨み合いが続いていたが、
劉備「季玉殿が我らを労うために宴を開くらしいが」
張飛「兄貴、罠だったらどうするんだよ?」
劉備「憲和の事もあるから断る訳にはいかんだろ」

劉備が張飛と僅かな兵を率いて成都へ向かうと、
簡雍「玄徳。久し振りだな」
劉備「急に宴を開くとはどういう事だ?」
簡雍「お前に渡したいものがあるらしい」

宴席に招かれると、
劉璋「劉将軍、さあこちらへ」
劉備「急に宴を開くと聞いて正直、戸惑っております」
劉璋「劉将軍、私に代わってこの益州を治めてくれませぬか」

劉備は突然の申し出に、
劉備「な、何と申された?」
劉璋「あなたこそ益州に収めるに相応しいと思うのです」
簡雍「玄徳、ここはお受けするべきだと思うが」

しばらく考えた後、
劉備「わ、分かり申した」

その事は荊州にも伝わり、
関羽「殿が益州の主になられたとは」
諸葛亮「まだ漢中が魏の勢力下にありますが、益州を手に入れられて良かったですな」

簡雍「玄徳、孔明を益州に呼んだ方が良いと思うのだが」
簡雍は益州の法が緩み切っているので法に明るい諸葛亮に新しい法を制定させるべきだと進言し、
劉備「しかし孔明だけにやらせる訳にはいかん。孝直達の意見も取り入れなければ」

自分が益州へ向かう事に、
諸葛亮「関将軍達がいれば大丈夫と思うが、元直、くれぐれ関将軍が無理な戦をせぬように頼む」
徐庶「分かっておる。孔明、殿に季玉殿を荊州に住まわせるよう進言してくれぬか」
諸葛亮「確かに益州の名士や豪族が全て殿に心服している訳では無いからな」

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