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新・三国志
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新・三国志 1

この小説では、蜀漢によって三国を統一していきます。


西暦180年頃…中国大陸を400年に渡って統治し続けた漢王朝にも滅亡の時が迫っていた。
中央では十常侍と呼ばれる宦官達が政治の実権を握り、賄賂と不正が横行していた。
そんな政治の乱れを反映してか、地方では張角の率いる黄巾党が各地で大暴れしていた。
そんな時代の物語である…。

劉備、字は玄徳という男がとある肉屋に立ち寄ると、
「玄徳さん、うちの益徳の事なんだけど・・・」

益徳というのは肉屋のおかみの息子、張飛の字であるが、
何でも家業も手伝わずに行先も告げずにどこかへ行ってしまう事が度々あって、
「玄徳さん、ちょっと倅を叱って下さいよ」

劉備が肉屋を後にすると、昔馴染みの簡擁、字は憲和が、
「玄徳、どうした?」
「肉屋のかみさんが倅の事で愚痴をこぼしてさ」
「正直にお前の家にいるって言えば・・・」

玄徳達は黄巾賊と戦うための義勇兵を募っているが、
「あの肉屋は後を継ぐのは益徳しかいないからな」
「でもよ。そのうち早かれ遅かれかみさんにばれるだろうが」


劉備が簡擁と共に家へ帰ると、劉備と義兄弟の誓いを交わした関羽、字は雲長が、
「皆が今か今かと待っていますよ」
「そんなに腹が減っているのか」
「そうではなくて、旗揚げの事です」

肉屋で買った肉の塊を関羽に手渡すと、
「皆にはこれを食ってくれって言っておいて、それより益徳は?」
「兄貴、俺に何か用か」
「お前、一旦家に帰れ」
劉備に突然帰れと言われ、
「俺が足手纏いって事ですかい?」
「そうじゃねえ。義勇兵に加わる前に反対されるのを承知でも親に一言言っておけって事だよ」

数日後、
「益徳、両親が許してくれて良かったな」
「でも、玄徳さんの足を引っ張るなって言われちまったよ」
「雲長、益徳、いよいよだな」
こうして僅か数十名の義勇兵を率いて旅立っていく劉備達であった。
「すまねえ、俺のせいでまた」
「兄貴、気にすることはねえよ。アイツなら兄貴がやらなくても俺が・・・」
「益徳、お前は考えるより先に拳が出るな。長兄、そろそろ兵達の食い扶持を考えないと」

劉備は黄巾賊との戦いで手柄を立てたは良いが、
上役との揉め事などで役職を召上げたり、自ら辞職したりするのを繰り返し、

「確か公孫サンって兄弟子が兵を集めているって聞いたな。昔のよしみでそこに加えらせて貰おう」
今、董卓の専横に袁紹や曹操、袁術、孫堅などといった諸将が連合軍を結成しており、

「玄徳、久し振りだな。兵は多ければ多い方が良いからな」
すると劉備は奥に控えるに若い男に興味を抱き、
「劉玄徳と申\す。その方は?」
「それがしは趙雲、字は子龍と申\します」

趙雲は劉備に公孫サンとは比べものにならない何かを感じ、
「(玄徳殿こそ私が理想とする主君に違いない)」

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