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新・三国志
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新・三国志 7


周瑜が亡くなるのを前後して、荊州では、

劉備「どう対応をすれば良いのか」
ホウ統「表向きは五斗米道の師君、張魯を討伐の要請ではあるが・・・」
諸葛亮「劉季玉はそう考えているようですが」

季玉とは益州を治める劉璋の字で、張松は彼の命で荊州にやって来たのだが、
張松自身は劉備が劉璋に取って代わるのを望んでおり、

ホウ統「手段に拘ってばかりでは何にもなりません」
劉備「分かった。益州に兵を出す事にしよう」

こうして劉備は益州に出兵したのだが、

関羽「孔明殿。我らは何故荊州に残らねばならぬのだ」
諸葛亮「別にあなたや益徳殿を軽んじている訳ではありません」

関羽は荊州の留守を任せたのが不満であったが、

諸葛亮「荊州の北部は曹操の手の内にあり、呉も隙あらば荊州を手に入れようとしている事でしょう」
張飛「だから俺達がいれば安心して益州を攻めれるって訳か」

それを聞いて、関羽も渋々納得したようであり、
関羽「そういう事なれば」


その頃、曹操は、

曹操「荊州の北部にいる張文遠から連絡は」
文官「はい。何でも荊州の一部を呉に割譲したようで」

文遠とは張遼の字で、古参である李典らと共に荊州の北部を守っており、

曹操「(ようやく手に入れた荊州の一部を呉に割譲するとは何かあるな)」

すると賈ク、字は文和を召し出し、
曹操「文和、玄徳とかに何か変わった動きが無かったか」
賈ク「先程、この手紙が届きまして」

賈クから手渡された手紙を読んでみると、
曹操「玄徳、益州に兵を出したようだな」
賈ク「玄徳が荊州を留守にしている今のうちに荊州を攻めては」
曹操「確かにそうしたいが・・・」

数多くいる息子の中から誰を後継ぎにするか決めかねており、
そうした中、三男の曹丕を擁立する一派とその同母弟で五男の曹植を擁立する一派が出来つつあり、
賈ク自身は曹丕が継ぐべきだと考えていたが、

賈ク「(世継ぎの事であれこれ言うのは余計に拗れるだけでは)」

賈クは年齢は曹操より年上だが、自分は曹操の家臣団の中では新参という意識が常にあり、
自分の意見を受け入れられて曹丕が世継ぎになっても、
古参の反感を買うだけではと思いつつ、

曹操「何を考えておる」
賈ク「袁本初や劉景升の事を考えておりました」

賈クが袁紹や劉表\の事を持ち出したのは、
袁紹も劉表\も末子を溺愛して後を継がせようとした事で混乱を招いたという事であり、
曹操も賈クの意図を察知し、

曹操「子桓(曹丕の字)が継ぐべきって事だな。それなら子建(曹植の字)を担ぎ出す連中を始末せねば」

曹操は曹植に後を継がせるのは無理だと感じており、
曹丕の方が曹植を一方的に敵視しているのも分かっていた。
賈ク「されど子建殿を担ぎ出そうとする輩を処罰すると申\しましても・・・」
曹操「子桓と子建の序列を明確にすれば、それに不満を抱いたりするのが出てくるだろう」
賈ク「なるほど、後継ぎの事で未だにあれこれ申\す輩を罰していくという事ですか」

その頃、益州では、
劉璋「劉将軍を出迎えようと思うのだが」
しかし、劉璋の家臣の中には劉備が出兵した事に裏があると感じていたのも少なくなく、
家臣達が思い止まるよう説得するも、
劉璋「まさかそのような事はあるまい」

劉璋達のやり取りに、張松と同じく劉備が劉璋に取って代わるのを望む、法正、字は孝直は、
法正「(劉将軍を迎え入れるのに反対するのが思ったより多いな)」



張松「孝直殿。このままでは我らの計画が上手くいかないのでは」
法正「うむ。何とか口実をつけて劉将軍に会う事にしよう」

劉備の陣営では、するとホウ統が魏延を呼んで、
ホウ統「魏将軍、剣舞にかこつけて劉季玉を討って下さらぬか」
魏延「剣舞であらば、舞うために剣を持っていても不自然ではありませんからな」


法正がやって来て、
法正「法孝直でございます」
ホウ統は法正に自分の計略を聞かれたのではと戸惑うが、
法正「何も聞かなかった事に致します。それより劉将軍にお話ししたい事がございまして」

法正は劉璋と家臣とのやり取りを劉備達に聞かせ、
ホウ統「益州にはまだ劉季玉に忠義を尽くそうとする臣が多いようですな」
劉備「そうなると慎重に事を進めた方が良いな」
法正「はい。何かあれば知らせますので」
劉備「孝直殿、あなた方も用心をなさって下され」


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