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新・三国志
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新・三国志 6


その頃、呉では、
孫権「未だに劉玄徳は荊州に居座っておるではないか」
魯粛「しかし、今、劉玄徳と戦うべきでは・・・」
孫権「子敬、荊州を取り、益州をも手に入れるのがお前の算段ではなかったのか?」

魯粛としても荊州を手に入れたのはやまやまだが、
敗れたとはいえ、曹操の力は未だ強大であり、
曹操を牽制する上でも劉備との同盟は維持すべきだと考えており、

魯粛「私自らが荊州に赴き、玄徳と話をつけて参りましょう」

数日後、
諸葛瑾「子敬殿、領地は欲しいが、さりとて無下に追い出すのも出来ぬとは難しい話ですな」
魯粛「確かに。だが、我らだけで曹操に対抗する力を着けるまではそうするしか無いのだ」

魯粛達が来ているのを知らされているにも関わらず劉備は姿を見せず、
しばらくして関羽と諸葛亮、徐庶がやって来て、

関羽「今、殿は生憎留守でございまして」
魯粛「(玄徳殿は本当に留守なのか)」

魯粛の予想通り、劉備は城から出ておらず、ホウ統達と共に、
益州の使いとしてやって来た張松と会っており、

張松「是非ともあなたに益州の地を治めて頂きたいのです」
ホウ統「殿、願っても無い事ですよ」
劉備「しかし、今、呉から魯子敬達が来ている。彼らに悟られないようにしておかねば」


劉備「子元、憲和。ここはそなたらに任せる」
簡雍「玄徳、そなたも上手く誤魔化せよ」

劉備をその場を去った後、

ホウ統「憲和殿。殿に馴れ馴れしくするのはどうかと」
簡雍「それより益州をどう手に入れるかが大事だろ」

劉備が魯粛達の前に姿を現すと、

魯粛「留守だと伺っておりましたが・・・」
劉備「いや、先程戻って来たばかりで・・・」
諸葛瑾「ところで劉刺史の御病気は?」

劉刺史とは劉キの事で、
劉キの後見という名目で曹操の勢力下にある北部を除く地域を治めているのだが、
劉キの病状はここ数ヶ月悪くなるばかりで、

劉備「な、何とか・・・」
諸葛亮「(子敬殿と兄上は荊州の割譲を求めに来たのか)」

荊州の南部の数郡を割譲する事で妥協し、

劉備「冷や冷やしたな。劉景升の事を太守って呼んでいたけど、本当は刺史って呼ばないといけなかったよな」
関羽「殿。今言う事ですか」
諸葛亮「あの劉刺史の事なんですが・・・」

諸葛亮が劉キが亡くなったという内容の手紙を見せ、
劉備「ウソだろ」
諸葛亮「子敬殿や兄上が来る少し前に届いたもので・・・」
関羽「刺史の事はくれぐれも内密にした方が」

魯粛と諸葛瑾が荊州から戻って来ると、

張昭「自ら荊州に出撃なさる?何を申されるのです」
孫権「そうだ。余自らが打って出るしか無い」
周瑜「出撃するか否かは子敬殿達が戻って来られてからでも」

魯粛達が戻って来た事に、
周瑜「戻られたか。いや孫家の男は血気に逸るのが多過ぎて・・・」
魯粛「それよりも以前より顔がやつれているようですが」

すると周瑜が血を吐いて、

諸葛瑾「如何なされた?」
周瑜「た、大した事では・・・」
魯粛「早く誰か呼んで参れ」

数日後、周瑜は36歳の若さで亡くなってしまうのであった。

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