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逆転!関が原
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逆転!関が原 7

加藤清正、浅野幸長ら豊臣恩顧の大名は10月までに秀頼からの減封の処分を受けたが大きな減封ではなかった。
江戸城の攻撃には田辺城攻略を終えた小野木重勝、小出秀政や関が原に来れなかった毛利勝永、佐和山城から駆けつけた石田正継(光成の父)北陸からは丹羽長重らが駆けつけこれを落城させた。
この時に江戸留守居役の家康の5男・武田信吉は柳生宗矩の介錯で切腹した。
また宇都宮城の結城秀康とその与力大名達は会津の上杉景勝に降伏して武装解除した。
北陸の前田利長は加賀に帰還後、弟の利政に家督を譲り自らは隠居の上で謹慎した。
奥州は伊達政宗が動いた。いち早く家康敗死の情報を手に入れて上杉家の宰相・直江兼継を通じて西軍に鞍替えた。
上杉家が攻めていた最上家を説得・開城させ、北へ軍勢を進めて南部家を滅ぼした。
上杉はその後に伊達の援軍と越後に出兵し堀秀治を攻めてこれを滅ぼした。
この頃九州では黒田長政がまだ戦っていた。中津城に全軍が篭城し島津軍に対抗し続けていたのだ。鍋島直茂や加藤清正らが降伏する中で黒田軍は粘り強く戦っていたのだ。そこに帰国した小西行長も加わり中津城に総攻撃をかけた。
「突撃!黒田の兵を一人残らず討ち取るのだ。」
「うおおお!」
しかし、ここを死に場所と決めた黒田の兵も黙ってはいない。
「撃てぇっ」
ズドドドドドド
鉄砲が一斉に火を噴き
「射よ」
ヒュンヒュンヒュヒュヒューッ
弓矢が一斉に放たれた。
頑強に抵抗する黒田勢に対して、島津義弘・豊久・立花統虎(後の宗茂)・小早川秀包・毛利勝信・小西行長・福原長尭等が攻めかかり、黒田八虎と呼ばれる後藤基次や母里友信、栗山利安等が次々と戦死していった。
そして本丸に追い詰められた黒田長政は、関ヶ原と同時期に起こって父の如水が勝利していた《石垣原の戦い》で虜にした大友義統を父の助命を条件に解放した。

その後、天守において火を放つと長政は自害して果てた。
その業火の中で落城する中津城を見ながら息子の歎願によって命を永らえた如水は、
「やはり甲斐守(長政)は日乃本一の親不孝ものよ、この儂より先に逝きおって…」と涙を流した。
この後、如水は一度は棄てたキリスト教の信仰を再び始める事になる。

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