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逆転!関が原
その他リレー小説 - 歴史

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逆転!関が原 31

「おい、小十郎!また我等が殿はまた無理難題を持ち込んで来たのか?」
と軽口を叩きながら古河城の本丸で片倉景綱に話し掛けたのは、伊達家の親族衆である一門第2席の猛将・伊達安房守成実である。
「全く幾つに為られても傾いておられる。少しは落ち着かれて良かろうものを…」
そう言いながらも二人共に微笑みながら語っている。
景綱は政宗の傅役であり、成実は20年近く前に一度出奔したとはいえ関ヶ原の頃に伊達家に帰参している。
景綱は生前の秀吉から、成実は上杉景勝から勧誘を受けた事も有るが、共に断って政宗を支え続けている。
2人にとって伊達政宗はそれ程迄に仕えるに足る存在なのだ。
「で、殿は船遊びに興じておられたのだろう?小十郎、戦果は如何相成ったのだ?」
「《常陸》は小破ながら殿は御無事だ。南蛮船は2隻沈めたらしい」
「ほう〜!それは重畳じゃ!で、殿はその船遊びの最中にどんな策を思い付いたのじゃ?」
景綱は成実に対して少し困った表情を浮かべて応える。
「うむ、我等伊達勢が先陣を切って徳川と火蓋を切れ、との事だ。恐らくはその間に豊臣勢が利根川を押し渡り、包囲する形だな」
「ハッハッハ!何のかんの言って一番槍を欲しがるとは相変わらず傾いておられる。困った主君じゃのう、小十郎!」
そう言いながらも二人にとってもそれは正しく望むところなのだ。2人は直ちに城下にまで布陣する伊達勢4万に向けて陣振れを行い、古河城から敢えて出撃する準備を始めた。
さて、伊達といえば騎馬鉄砲隊である。しかしこの騎馬鉄砲隊、どちらかといえば城外での戦いにおいて有効であり、篭城している相手に対してはあまり有効とは言いきれない。そこで正宗は通常の騎馬隊と雑兵に第一次突撃をさせ敵を城外に誘き出す作戦を考案した。
一方真田は頭を使って戦をする。信繁は伊達の作戦を知り突撃の頃合を見極める役目を担った。作戦はこうなった。
真田隊が突撃をかけたのを合図に毛利勝永、佐竹義信、長宗我部盛親がこれに続く。
加藤清正、福島正則もこの部隊と共に動き先頭に立って戦う。
既に伊達勢が敵を押していればその勢いに乗って敵を追撃し、そうでなければ増援部隊が伊達勢を援護する。
立花宗茂、鍋島勝茂は戦局に応じて攻撃、防御共に出来る遊軍として参加する。
続いて島津豊久、小西行長、大谷吉久らが渡河し、戦いを有利に運ぶ。
石田三成、九鬼守隆は南蛮船の砲撃でこれを援護する。
さらに毛利輝元、毛利秀元、宇喜田秀家、上杉景勝らが戦いを決定的とする。

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