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逆転!関が原
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逆転!関が原 27

また、伊達政宗は自らは秀頼の本陣に残りながら軍勢を伊達成実と片倉景綱・重綱親子に預けて、4万の軍勢を徳川勢の南東にあたる利根川北岸の下総古河城に入れて徳川を牽制した。古河城を攻めてきたら豊臣勢の利根川渡河が容易になり、天正3年の長篠の戦いの様な《後詰決戦》を強いる事が出来るのだ。
 
この着陣の状況を物見から知らされた徳川の軍師・大久保長安は独り呟いた。
「まるで武田勝頼公になった気分だな。元々武田の家臣にこの手を使うとは笑わせてくれる。さて、そろそろこの下野で粘るのも潮時か…。白河関まで繰り引いて関白殿下に陸奥まで御足労願おうでは無いか…」
 
そして軍勢が参集した豊臣勢が改めて軍議を開いた。但し未だに大老の内、播磨・丹波の宇喜多秀家と加賀・越前の前田利政は参陣していない。秀家の妻・於豪を通じて義兄弟になる彼等2大老は協同で北陸道を越後に進軍しているからだった。
その軍議の最中である。
「伝令!」
「如何した?」
「南蛮船がこちらに向かっているとのことです。」
「何?真か。」
伊達政宗は目を光らせた。
「間違いございません。2隻の南蛮船が確認されています。おそらく利根川付近へ向かっていることでしょう。」
「正宗、撃沈できるか?」
「秀頼様。《難破若しくは沈没》でございます。」
正宗に続けて九鬼守隆が
「時期を逸することがなければ十分でございましょう。」
と言った。さらに
「南蛮船が利根川河口付近に差し掛かっていた時にそれを奇襲、大筒と炸裂弾で一挙に撃滅、いやぁ、ぞくぞくしますなぁ。」
「うむ。」
福島正則が頷いた。
「守隆、それは可能なのか?」
秀頼は真顔で言った。
「一つ私に賭けて頂けますか?」
言ったのは伊達正宗であった。
「ううむ……」
秀頼は迷ったが
「よかろう。一気に殲滅して来い。」
伊達政宗にこれを指令した。
「佐吉も同行しとうございます。」
「よかろう。」
ついに南蛮船との対決が始まろうとしていた。

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