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逆転!関が原
その他リレー小説 - 歴史

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逆転!関が原 23

「現在、南蛮船の大筒集めで畿内に張り付いてる石田殿から譲り受けた、《仏狼機》を使って挑発してみるつもりで御座る」
「儂と同じ考えか…良かろう。与六、動いてみよ」
景勝が同意して、兼続は喜色を浮かべて会釈した。
「御意。不識庵様(上杉謙信の事)以来の武門を汚さぬ様、大久保一党を打ち払って御覧に入れまする」

翌々日の暁
ドォーン!!ドォーン!!!
明けやらぬ朝の静寂を破る轟音が響いた。と次の瞬間大久保勢の陣地に衝撃が走り兵たちは目を覚ました。
「敵襲だ!!」
「対岸の豊臣からだぞ!」
狼狽する徳川の兵たちに大きな笑い声が聞こえた。対岸の上杉勢は笑っているのだ。
「腰抜けめ。」
「反撃もできないとは。」
「何が大久保じゃ、笑わせるな。」
「あやつらだけでは戦もできぬ腰抜けか。」
「ぬぅ〜っ…なめおって…ええい!突撃だぁ!!」
「おおうっ!!!」
各隊の将たちは命令を待たずして川を渡り始めた
ドドドドドドド・・・・・・・
騎馬隊、足軽、その他が我先にと走り出した。そして
バシャバシャン
ザブン、ザブン
次々に川に飛び込み渡り始めた。
「来たぞ、挑発に乗ったな。」
「よし、迎撃だ。」
ダーンダダーンズドーン
上杉の陣地から鉄砲が一斉に火を噴いた。
しかし、このとき既に徳川方には宇都宮城を攻略した第二陣、さらに第三陣までもが到着していた。そのため大久保隊は全軍を一斉に出撃させ、勢いに任せ一気に川を渡ってきたのだ。
「一気に秀頼を討ち取れぇ!」
「来たぞ、一歩も引くな!」
徳川、上杉両軍は遂に激突した。これを皮切りに小西行長、大谷吉久、佐竹義信、薄田隼人、木村重成の各将も反撃に出た。
「おおっ戦いが始まっているぞ。」
「我らも遅れるな。」
この様子を見た他の徳川勢も触発された。
しかし迎撃する豊臣勢の中でも主力である、佐竹勢の中で多数の爆発音が聞こえた。
「何が起こった?」
豊臣諸将が一斉にそちらを見る。良く聞くと大砲の着弾音だ。
徳川勢が利根川の北岸から川と大久保勢、そして最前線の豊臣勢さえ飛び越えて、佐竹勢の中心にカルバリン砲を打ち込んでいる。第三陣を率いて参戦した土井利勝の横にいる若き武将《松平信綱》が砲撃の指示を発したのだ。

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