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逆転!関が原
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逆転!関が原 20

すると、大老の佐竹義宣が提案してきた。
「秀頼様、先程伊達殿が言った通り、徳川が陸奥・出羽を統べたら次は関東、それも江戸を狙うは必定で御座る。ならば利根川(当時の利根川は南に流れて今の東京湾に注いでいた)を天然の堀として徳川を食い止めて、その上で上流側と下流側から挟撃しては如何で御座ろうか?」
「大河をはさんで戦うは小兵力で大軍を防ぐ常道であります。この大谷吉久も佐竹殿の策に賛成いたします。」
「矢面に立つのは伊達殿であろう。そちの意見も聞きたい。」
「秀頼様、私よりも佐竹殿の意見を優先されてはいかがでしょうか?」
「そうか。ならば利根川で徳川を食い止めるという策でよろしいか?」
この秀頼の言葉で諸大名はこの策に賛成し、直ちに準備にかかった。西国大名の多くも関東に軍を出すことを決定した。徳川と豊臣の雌雄を決する戦いがまた始まろうとしていたのだ。
これに伴い秀頼も直属1万の軍勢と織田有楽、大野治房(治長の弟)、薄田隼人などを率いて江戸へ向かいった。その総数約4万5千。そしてすぐさま本営を構えた。

一方で徳川は天下を再び徳川のものにするべく大量の浪人を抱えている。しかし、この状態でどこまで戦えるかは不安である。数的不利は否めないからである
浪人達は徳川に味方して改易されたり、滅ぼされた南部・最上・山内・黒田等の大名に仕えていた者達だ。
しかし、豊臣家や西軍の各大名が関ヶ原の直後から旧東軍の家臣達を積極的に登用してきた為に、不満を持つ浪人の絶対数が少なかったのだ。
「南蛮人から鉄砲や大筒を大量に買い入れて数の差を埋めては居るが…」
徳川勢本陣で土井利勝が悩んでいたが、軍師の大久保長安は涼しい顔をして答えた。
「取り敢えずは奥羽を全て占領したら金山の鉱夫達を後方の守りと人夫として参加させましょう。武士や浪人、一揆に参じた事がある者は全て鉄砲や大筒、刀槍を渡して戦に参加させるのです」
「鉱夫達に何が出来ると言うのだ!戦は武士がすれば良いのだ!」
と反論する利勝に長安は呆れつつ言った。
「その武士が居ないのですぞ。留守居の者も前線に出す事で差を埋めるのです。そして留守居に回す鉱夫や百姓が奥羽の各地の城に手を加えて、攻防両面で戦をしやすくするのですよ」

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