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逆転!関が原
その他リレー小説 - 歴史

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逆転!関が原 19

「それではただの荷船と代わらぬではないか。」
「そうならぬ為、国友や堺の鉄砲鍛冶たちに、大砲の複製をさせておるところじゃ。堺の鍛冶たちは、近々閑静の見込みと申しておる。」
国友鍛冶とは実史の大坂の陣で大筒を徳川方に供給した。鍛冶屋である。この頃の大筒は火縄銃を太くしただけのようなものだった。しかし真田幸村配下の兵達が使っていた炸裂弾を応用し、南蛮船を沈めることが出来る上、威力も高い大筒が出来ていった。
そこに国友村を所領に持つ石田三成が更に補足する。
「それらの大鉄砲や抱大筒に加えて、仏狼機(フランキ)や《デ・リーフデ》に積んであった細身の《カルバリン砲》と呼ばれる大筒は鉄砲鍛冶達が製造する事が出来る。ただ、《サンフランシスコ》に積んであった大物の《カノン砲》とやらは同じ物をまだまだ造れないそうだ。しかしながらその炸裂弾と組み合わせて使えば、カルバリン砲でも密輸船を沈めることが出来る」
その三成の説明を聞いて諸将の間から安堵の声が漏れる。船に乗せる武器の目処が立ちそうだからだ。
「三成、ならばその《カルバリン》という大筒を3隻分、国友と堺で用意するのにどれだけ掛かるのか?」
との秀頼の質問に三成は自信を持って答えた。
「はっ、これから鉄砲鍛冶に昼夜を分かたず造らせると共に、堺に寄港する南蛮船から調達して、必ずや3隻分を南蛮船が完成する迄に揃えてみせまする!」
「そうか、三成がそう申すのならば、間違い有るまい。では信繁、その炸裂弾をカルバリンに全て揃えることは出来るか?」
「カルバリン砲だけではなく、仏狼機の分も船の完成までに揃えましょう。炸裂弾を放てる仏狼機を安宅船や関船に積めば十分に使えましょう」
「よし、南蛮船は安治、大筒は三成、弾薬は信繁に一任する。協力して密輸船や他国の南蛮船に対抗出来得る船を用意してくれ」
「はっ!」
指名された3人は揃って平伏した。それを見て満足そうに頷いた秀頼は話を続けた。
「では話を戻して徳川勢を何処で迎え撃つのかを決めようではないか。東海道か関東か陸奥か…その中で何処が良いと考えるか?」

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