PiPi's World 投稿小説

逆転!関が原
その他リレー小説 - 歴史

の最初へ
 10
 12
の最後へ

逆転!関が原 12

「今回諸君に集まって貰ったのは他でもない。徳川が不穏な動きを見せて居るのだ。」
「若様。こうなれば一挙に徳川を葬り去るべきです。」
加藤清正や福島正則はすぐさま戦を行うべきと主張した。
「さて、それはどうかの?」
異議を唱えたのは豊臣譜代の織田有楽斉であった。
「ここでこちらから戦を挑み世を混乱に導くのは必ずしも良い方法とは思えぬ。」
「某もそう考えます。」
有楽に続いて言ったのは小西行長であった。
「しかし、楽観は出来ぬぞ。」
今度は毛利輝元が言った。
「そうか。では真田殿に伺いたい。」
「はっ。」
「大坂城を拠点として戦う場合、真田殿はどのような戦法がいいと考えるか。」
「宇治瀬田を固め、河を挟んで京都で徳川を迎え撃ちましょう。」
この戦法は大坂の陣で真田信繁(幸村)が実際に提案した策である。
「京都か……」
「若様?どうされました?」
大野治長がたずねると秀頼は
「京都に火を放つことは世の中の聞こえも考えねばならぬ。」
「確かに応仁の大乱以来、京の都を焼いた者はことごとく民草から嫌われておる」と加藤清正が引き継ぐ。
その発言に下野と上野に領地を持つ佐竹義宣が同意した。
「今の徳川の居る所は陸奥と出羽じゃ。京に攻めて来るまで力を付けさせる必要は有るまい。むしろこちらから打って出るべきではないか?」
「御待ち下され、この大坂城から陸奥の地まではどれほどの距離が有ると御思いか。軍兵が食べる食糧や弾薬を運ぶのもままなりませんぞ」と財務の担当である長束正家が異論を述べた。

「ふむ…伊達殿は如何思われる?忠輝は貴殿の婿だった男で御座ろう?」
と毛利輝元は政宗に意見を求めた。
「このまま手を打たぬ訳にはいくますまい。しかしながら、戦を行うならば戦場を何処にするにせよ太閤殿下の小田原征伐の如く《天下仕置》と致さねば為りませぬ」
「ふむ…なるほど…」
秀頼は輝元を見て質問する。
「ならば輝元殿、予に代わって軍勢を率いて戦ってくれるか?」
しかしそこに政宗が割って入り《独眼竜》の異名にふさわしい凄みを効かせて秀頼に言い放った。

「御待ち下さい。誠に失礼ながら心得違いをしておりまする。関白殿下の考えがその様な御考えならば我は出兵は御断り致しまする!」
「何ぃ〜!政宗!秀頼様からの出兵の要請を一大名風情が断わるとは不遜の極みじゃ!性根を叩き直してやる!」
福島正則が立ち上がって政宗に吠えたが、政宗はその正則をあえて無視して毛利輝元と向い合い語り出した。

SNSでこの小説を紹介

歴史の他のリレー小説

こちらから小説を探す