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逆転!関が原
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逆転!関が原 11

(実際には前年末に死去したが、家督相続の為に翌年に報告した)
しかし、秀康が死去すると徳川家の中にも不満分子が台頭してきた。
「本来ならば我らが幕府を興して天下を采配していた筈なのだ」
「豊臣に媚びていた秀康様が亡くなったからには、我らこそが真の天下人になる!」
そう言って焚き付けたのは家康の隠し子という噂が有った土井利勝である。
利勝とその仲間はまず、秀康の息子である幼少の当主・徳川忠直を追い落としに掛かった。

忠直は秀康から「豊臣との友好関係を守る様に」と遺言されていた。忠直や家老の今村盛次らはそれを懸命に守ろうとした。しかしながら慶長17年に家老の久世但馬が何者かに殺害されると、今村らの親豊臣派はその事件を口実に処分され今村も暗殺された。他の者も切腹・処刑・追放などの憂き目をみた。
その結果、徳川家内の親豊臣派はほぼ消滅してしまった。
そして翌年に忠直は毒殺(届出上は病死)され、次の徳川の当主についたのはなんと家康の6男である松平忠輝であった。

忠輝と土井利勝は周囲を反豊臣派で固め、軍備を整え、浪人達を大量に雇い入れた。そして周辺の旧徳川家臣や旧東軍の大名達に「今こそ家康公の御恩に報いる時」と書状を出して決起を呼び掛けた。
しかし、とある大名が《元・娘の五郎八の婚約者》であった徳川忠輝の書状を小馬鹿にした後に、大坂に居る《現・五郎八の婿》である関白秀頼に届出た。現在常陸・房総4ヵ国の太守である伊達政宗その人である。
政宗は豊臣秀頼の婿となり、その成長を垣間見てきて、
(この若君はこの《独眼竜》の主君としてふさわしくなって来た。五郎八が産んだ国松丸がその世継ぎとならば我が伊達家は安泰というものよ)
と思う様になっていた。
政宗は伊達家所有の軍船で大坂に上り、婿である主君・関白豊臣秀頼に謁見した。
「政宗殿、徳川は困った事になった。このまま放置する事は出来まい」
「確かに秀頼様のおっしゃる通りです。ここは大坂に滞在する大老・中老と奉行衆にも諮るべきかと」

秀頼はその意見を元に大坂に詰めていた五大老・五中老・五奉行を召集、大坂城千畳敷に勢揃いした。
毛利輝元・宇喜多秀家・上杉景勝・前田利政・佐竹義宣の五大老、加藤清正・福島正則・加藤嘉明・脇坂安治と大谷吉継の死後に新任したその娘婿の真田信繁の五中老、石田三成・長束正家・増田長盛・小西行長と前田玄以の死後に新任した浅野幸長の五奉行、そして秀頼の岳父の伊達政宗が左右に分かれて着座した。

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