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逆説・日本史
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逆説・日本史 3

「……」
しかし男は黙っている。
「貴様!」
兵士が掴みかかった。
「よせ!」
兵士の上官が諌めた。

「しかし…」
「いいから、連れて行け」
そのアメリカ人は兵士達に連行されて行った。
そんな様子を仲間の男が見ていた。
その男は自分の寝床まで戻り、無線で別の島にいる仲間に連絡した。

「何?捕まったか…分かった、お前は今後も奴らの動向を窺ってくれ」
「はい」

「気を付けろ、ジャップはジェネーブ条約を守らないと聞く、捕虜となったらどうなるかわからない」
「はい、でもヘンリーは…」
「奴の事は残念だが諦めろ」
「しかしっ!捕まったのは今日の昼です!ジャップもすぐには殺さないでしょう!?まだ間に合うのでは!?」
「それは駄目だ、我がOSS(戦略事務局)の任務はあくまでも諜報だ捕虜の救出は任務外だ。それに…、あいつはこうなることは覚悟していたはずだ…」
「ええ…」

男は同僚のヘンリーの身を案じた。
この日、日本から輸送船がやってくるのを知ったヘンリーは、果敢にも大物を狙った。
しかし、狙いは僅かに外れ、下級の兵士を狙撃するに止まった。

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