机 8
「知ってるよ〜」
「みてたの?!」
「うん。後ろ姿。ラブラブじゃーん」
「ちがッ…」
夏美の頬が赤くなる。そんな夏美の姿をさけるように、砂夜は窓枠に手をかけ、外をみた。飛行機の通る音がきこえる。
「夏美ー」
「…な…に?」
「羽山君のこと好き?」
「…うん」
「そっか」
「…あ…の、ごめん!!ずっと黙ってて… 別に隠してるつもりじゃな…」
「分かってるよぉー」
砂夜は夏美の方をみると、ふっと笑った。
「言いたくないことだってあるじゃん?」
「…りがと…」
夏美が涙ぐむ。
ぁあ・・夏美は本当に羽山君が好きなんだなぁ・・
中学ん時からずっと思い続けて・・
・・・・・
なんだろう?
すごい複雑な気持ち・・
砂夜は夏美にの肩に手をかけ涙をなだめた。
しかしそんな砂夜の表情は何処か複雑そうだった・・
砂夜はまだ気づいていなかった・・
いや、気付いていて押し殺していたのかもしれない。
羽山へとこみ上げる熱い想いを・・
そのころ羽山はふてくされていた。
「松山には負けたくねぇ・・でもなんか出遅れちまったよなぁ・・」
ブツブツ言いくさる羽山。
たっく松山もアレはフライングも良いトコだって・・
羽山考え中・・・−
「!?」
そうだ、羽山にはまだ松山を追い抜く特大ホームランがのこってた♪
そう・・「机」の落書き交換・・
女の子ってのは「偶然」=「運命」に置き換えるらしいし、これで秋羽も俺を意識すんだろう・・
でもどうやってそのことを伝えよう・・?
きっかけは・・・?
もう羽山の頭の中は砂夜のことで頭が一杯だった・・
とにかく書かないことには始まらない・・・!!と、羽山は思い、自分の席に行く。
「こんにちは。落書きは趣味じゃねぇけど楽しみにしてる。そういえば、俺が誰だかわかる?俺はあんたの事知ってるよ。さぁ俺は誰でしょう?(笑)知りたかったら今日の放課後この教室に来て下さい。」と書いた。
「これで完璧だ!!我ながらイイアイディアだな。」
「おーい!羽山、何してんだよ!次数学だぞ!」松山が声をかけてくる。
「分かったよ。今いくー!!」
(見てろよ・・・松山なんかに負けるか!!)
都合のイイ事に、数学の特進は次が授業だ。
その頃ー
「砂夜、大丈夫?顔色悪いよ?」
夏美が砂夜の額に手をあてる。
「わっ、砂夜、すごい熱あるよ!保健室行った方がいいって!」
「うん・・・。そうする・・・。」
羽山への奇妙な気持ちに対して考えすぎていた。
ふらふらとした足取りで、保健室に行く。
ガラッ
「先生は・・・いないみたいね・・・。勝手にベットに寝ちゃっていいのかな?」
ボフッっとベットの上にのる。
「まぁいいや。寝ちゃおう。」
砂夜は横になり、スウスウと寝てしまった。