机 19
秋治は思い切って大声で叫んだ。
「砂夜!!」
ビクッとして砂夜は振り向いた。
「秋治っっ!!」
砂夜はびっくりして涙が止まったが秋治の顔を見るなりまた泣き出した。
「どうしたんだよ砂夜!いきなり居なくなるしっっっ何かあったのか?」
内心俺がなにかしたのかとドキドキしながら聞いた。
「ううん。何でもないのっっっちょっと熱のせいで感傷的になっちゃったっっっ」
砂夜は無理矢理笑おうとしたが引きつっている。
「砂夜、泣きたいなら好きなだけ泣けよ。
もう一人で我慢すんな。
俺が側に居るから!
砂夜の泣ける場所がないなら俺がなるから」
秋治は、砂夜を引き寄せると抱き締める。
砂夜は、そのまま秋治の胸の中で泣いた
『うっ…うぅっ…』
秋治にこんな迷惑かけちゃだめ!だけど…涙が止まんないよ。。
思ったよりも温かい人の温もり。ずっと欲しかった泣ける場所。熱が出ているせいなのか秋治に対するもやもやとした想いのせいなのか、砂夜にはわからなかった。
『ずっと俺が側にいてるからな。』
ぎゅうっと砂夜を抱きしめる腕に力がはいる。