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恋愛リレー小説 - 青春

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机 7

『な、何?』
砂夜の声が裏返った。その声があまりに可笑しくて松山は声を出さずに笑った
『ちょッ!笑うならちゃんと笑ってよ〜!』『ごめん、ごめん』
それでも松山は声を出さずに笑った
『もぉ!』
ぷぃと砂夜があちらを向いた
最近急に親しげになった松山…話してくるのはブレザーを貸してくれた羽山の事ばかりだった
『砂夜ちゃんは好きな奴いんの?』
『ッ!?』
ビックリしたのは好きな人を聞かれたからではない…初めて異性から下の名前で呼ばれたからだった
『……』
しばらく砂夜が黙っていると松山が『落書き交換してる奴とか…』
『な、なんで知ってるの?』
砂夜はさっきよりビックリという感じだった。『俺そこの席の奴と友達だからさぁ〜』
砂夜は身を乗り出した『誰だか知りたい?』意地悪気に微笑む松山そして砂夜はコクコクと首をタテに振った。『じゃぁ教えてあげてもいいけど♪その代わり今日一緒に帰ろうっか?』
『ぇ?』
なんでそうなるの?という感じで砂夜は松山の顔を見た。
松山の顔は赤い…
『ゎ…私もう教室戻らないと…』
そういうと砂夜は勢いよく教室をとびだした。(意気なりあんなこといわれても…わかんないょ!)
気付けば砂夜は誰かに思い切り体当たりしていた。
『ご、ごめんなさい』砂夜は急いで顔を上げた。
『またお前かょ 笑』目の前にいたのは羽山だった。
体当たりされたというのに羽山はうれしそうだ。
『何にやけてるの?昨日夏美と好い事あった?』
砂夜はハッとした。
(何言ってんの私…そんなに親しい訳でもないのに…)
『昨日?あぁ一緒に帰ってんの見た?あれは別に同中だし、懐かしくて…』
気付くと目の前に砂夜はいなかった
『なんだよ…』
少し恥ずかしくて秋治は急いで教室にはいる。すると松山が羽山の机にうつぶせになっていた。
『なにしてんだ』
松山の頭を軽くこづいた
すると松山はもそもそ顔を上げる
『ごめん秋治…俺砂夜ちゃん好きだゎ…』
秋治の心臓がドクンと音をたてた
松山が秋羽(砂夜の名字)のことを気にしてるのは始めから薄々感じてはいたが、こんなに意気なり宣言されてしまうと、なんでか自分が出遅れた気に…
…あぁそうか俺も秋羽の事が…


砂夜が急いで教室に戻ると夏美がほけ〜ッと窓を見つめていた
『夏美?』
呼び掛けてみても夏美の反応はない
『チョット!?夏美ッ!!』
『えッ?あぁ砂夜…』
砂夜が体を軽く揺するとやっと夏美は砂夜に気付いたようだ
『どうしたの?ぽけ〜としちゃって』
砂夜が問い掛けると夏美は更に頬を赤く染めた
『あのね?昨日…』
夏美は昨日秋治と帰った事を楽しげに話した

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