PiPi's World 投稿小説


恋愛リレー小説 - 青春

の最初へ
 15
 17
の最後へ

机 17

そして砂夜はまた静かに眠りについた…



相変わらず頭がぼーっとしている

羽山の家に来てから何時間が過ぎたのだろう…

砂夜は朦朧とした意識の中目を覚ました…

(アレ?ここ何処??)
砂夜は何気なく頬に手を当てると涙で濡れていた…

少しづつ思い出して来た

いくら調子が悪くて寂しかったからって羽山君は何も関係ない…

ベッドに顔を伏せて眠っている秋治を見て砂夜は胸が締め付けられた…

「ずっと見ててくれたんだ…」
そっと秋治の髪に砂夜の手が触れる

「…ありがと……ごめんなさい…」

砂夜が小さく口を動かしたかと思うとおもむろにベットから起き上がった。

ふと時計を見るともう夜の8時をすぎている…

鍵は玄関の靴箱の上に無造作に置かれていたのでしっかり鍵を掛けポストへ返した。

これ以上羽山君に迷惑を掛ける訳にはいかない。
そう思うと、砂夜は少し潤んだ瞳を拭った。

大丈夫。
もぉ何年も一人ぼっちの夜をまたいで来たんだから…
少し時間をさかのぼって、松山と夏美はというと…。


うずくまる夏美に松山はそっと頭を撫でた

「いつも砂夜ちゃんと一緒にいる子だよね?
どうしたの?」

優しい言葉をかける

潤んだ夏美の瞳が松山を見上げる

今にもこぼれそうな雫が瞳がなんだかとても可愛らしく思えた。

「…ゃっぱ秋治……砂夜送っていっちゃったんだ…」
夏美の目が、また涙で溢れた。松山が「どうしたの?」と聞いても「大丈夫。なんでもない。」と言って教室を出て行った。
松山は、「ち、ちょっと!」と言ってから悟った「あの女の子はきっと秋治が好きなんだ」と・・・
松山は彼女を追い掛けるように出ていった
松山が夏美に追いつくのはたやすい事だった。

しかしかける言葉が見つからない…

「…ぁのさ?」
夏美の一歩前に出て松山は自分の心中で言葉を探る。

「俺。実は砂夜ちゃんの事が好きなんだよねっ?」

松山は自分で何いってるんだと思いながら夏美の顔を見た。

夏美は留める事の出来なくなった涙を次々流しながら松山に叫んだ

「ならなんで?なんで砂夜と秋治を二人で帰したりしたのよッッ!」

人のいない放課後の廊下に夏美の声が響き渡った
自分の声の大きさに夏美ははっとして松山を見上げた

「ごめん…八つ当たり…」

SNSでこの小説を紹介

青春の他のリレー小説

こちらから小説を探す