机 11
結局、砂夜の体調は良くならず、早退することになった。
「じゃあ・・・俺が秋羽の荷物持ってきてやるよ」
「え!?悪いよ・・・」
「ケド、そんなにフラフラじゃ無理だろ・・・だから俺が持ってくるよ」
と、言い羽山は保健室を出た。
「夏美〜・・・秋羽早退するって・・・だから荷物!!」
砂夜の教室につき、夏美に声をかけた。
「あ・・・分かった。はい・・・コレ、砂夜の・・・」
羽山は荷物を受け取った。
「ありがと・・・なぁ、夏美・・・目が・・・赤くないか・・・?」
「ん・・・コンタクトがさ、ははッ」
夏美は目を押さえ、下を向いた。
「そう・・・」
「あのさ、今日・・・一緒に帰らない?話したいコトがあるんだけど・・・」
夏美は羽山にそういった。
「うん?いいよ」
羽山は不思議そうな顔をしながら、笑う。
「じゃあ、帰りに羽山のクラス行くわ・・・それじゃ、砂夜を宜しくね!!」
そういい残し、夏美は自分の机に戻っていった。
「ほら鞄…。」
「ありがとう羽山君…」
今にも消えそうな砂夜の声を切ない気持ちで秋治は聞いていた。
「早退届け貸せよ、書いてやるから・・」
「んー・・。」
秋治が優しすぎる。
砂夜は秋治の顔がまともに見れなかった。
「ほら・・書いたぞ。」
「ぁ。ありがとう」
そして早退届けを見なおす。
ん?
この字・・・見たことある?
「おい!どぅした?」
「ぇッ あぁ何かこの字見たことあるなぁ〜って思って・・・」
その砂夜のことばを聞いて秋治は目を輝かせた
これはチャンスだ
もぉこれしか砂夜に落書きの相手が自分だと知らせることはできないかもしれない。
でも………
今にも気を失いそうな砂夜をみて今話すより早く砂夜を帰してあげたいと秋治は思った。
「んな事いいから帰るんだろ?」
「ぁ……ん〜…。」
砂夜はフラフラと立ち上がると保健室を出た。
秋治も砂夜をおう。
「担任とか送ってくれないのかょ?」
秋治は心配そうだ
「無理。ウチの担任冷たいから…」